大手企業SEに転職する方法!注意点や中小との違いも解説!

大手企業SEに転職する方法!注意点や中小との違いも解説!

SEやプログラマで転職するなら、給与も福利厚生も優れている大手が絶対にいいと考えている人は多いです。

しかし、大手企業のSEに転職するのは難易度が高く、大手ならではのデメリットもあります。

そこで今回は大手企業のSEに転職する方法や注意点を紹介しつつ、中小企業SEとの違いなども紹介していきます。

大手企業SEに転職する方法!

大手企業のSEに転職する方法ですが、大きく分けて下記の3種類があります。

SEとしての経験・スキルを身につける

大手企業にSEとして転職するのであれば、まず相応の経験とスキルを身につける必要があるでしょう。

大手企業のSEは中小企業のSEと比べて高いスキルや、経験を求められます。

中小企業のSEであれば未経験でも採用してくれる求人がたくさんありますが、大手企業は未経験で採用する求人がないのがその証明でしょう。

もしSEとしての経験が薄い・未経験であれば、いきなり大手企業のSEに転職を目指すよりも、一度中小でSEとしてのスキルを高めてから転職した方が上手くいく確率が高いです。

コネを活用する

大手企業にSEとして転職する場合、コネを活用するという方法も効果的です。

例えば大手企業に勤務している友人やSNSのフォロワー、あるいは取引先などにスカウトを受ける、自分を紹介してもらうという方法です。

優秀なエンジニアは喉から手が出るほど欲しいという企業が多いので、優れたスキルがあればスカウトを受けることは珍しくありません。

また、転職をしたいこと、暗に今の会社に不満があることを友人やSNSのフォロワーに漏らすと、「じゃあうち来ない?」と紹介に繋がることもあります。

スカウトも紹介も普通に転職サイトから応募するより、採用される確率が高いのもメリットでしょう。

転職エージェントを活用する

転職のプロである転職エージェントに相談しながら転職活動を行うことでも、大手企業のSEへ転職ができるでしょう。

転職エージェントに登録すると自分の希望を満たす求人を紹介してもらえるので、たとえば「大手IT企業のSEに転職したい」「大手で開発の仕事を外注に出さず、社内でやっている会社を紹介してほしいといった自分なりの希望を伝えてみましょう。

そうすると条件を満たした求人をコンサルタントが探して紹介してくれるので、自分で求人を探す手間が省けます。

また、コンサルタントは給与の条件交渉や面接対策、履歴書の添削などもしてくれるので、大手企業のSEに転職するならぜひ活用しましょう。

大手SEへ転職するメリット

キャリアアップや市場価値の高い人材になれる

大手企業のSEに転職することで、キャリアアップができるだけでなく、市場価値が向上するのはメリットでしょう。

大手企業では大規模なプロジェクトが動いており、新しい技術に触れる機会が多くあります。

また、社内で研修制度やオンライン講座なども充実しているので、転職することで市場価値の高い人材になれるでしょう。

有名企業に勤めているという社会的信用を得られるため、今後の転職活動にも有利にもなります。

キャリアアップを目指す方や将来的に独立したい方にもおすすめです。

平均年収が中小SEと比べて100万円近く高い

もう一つのメリットは、給料が中小企業よりも高いことです。

厚生労働省が発表した「賃金構造基本統計調査」 によると、男女ともに大手企業のSEとその他の企業では年収に100万近い差が見られました。

企業規模平均年収平均月給
小規模(10~99人)537万円38万4300円
中規模(100~999人)540万円36万5000円
大手(1000人以上)627万円39万7800円
参考元:令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

ちなみに中規模の会社の方が年収は高いのに月給が低い理由は、賞与の金額の差です。

小規模の会社のSEは月給が高い代わりに賞与が少なく、逆に中規模会社のSEは月給が若干下がる代わりに賞与が多いようでした。

表を見ての通り、SEは中小企業に転職するよりも大手企業に転職にする方が、給与の面で圧倒的なアドバンテージがあります。

中小より福利厚生面が充実している

また、大手企業は残業代は当然満額支給されますし、家賃補助や持株制度などの福利厚生も充実しているのもメリットです。

企業によってはスポーツジムや保養施設などの優待制度があったり、退職金制度や確定拠出年金制度もありますし、有給消化率も高いので、ワークライフバランスも重視できるでしょう。

さらに介護や体調不良などで一時的に就業できない場合でも安心して休める程度に人員が配置されているので、中小のように1人休んだらプロジェクトが炎上するようなケースも稀です。

また、産業医やメンタルヘルス対策なども充実している場合が多く、健康面でもサポートされます。

基本的に無理な残業がない

大手企業のSEは無理な残業が少ないこともメリットです。

大手企業は働き方改革や残業時間の削減に積極的に取り組まなくてはいけないので、中小のような毎日終電、泊まり込みのような無理な残業や休日出勤は少ない傾向にあります。

また、プロジェクト管理もしっかりしており、納期に間に合わせるための突発的な残業や休日出勤も発生しにくいです。

ブラックSEが多い中で、大手はホワイトな環境が整っていることが多いので、プライベートと仕事のバランスを重視する方にもおすすめです。

大手企業のSEに転職する注意点や後悔の事例

大手企業のSEになれば給与も上がって生活が安定すると考えて、中小のIT企業から転職を目指す人は少なくありません。

大手であれば子どもに、「パパは〇〇会社に勤めているんだよ」と誇らしげに語ることもできるでしょう。

しかし、大手企業や一部上場企業にSE、社内SEとして転職した人の中には後悔している人も一定数いますので注意しましょう。

開発のスキルを磨けない

大手企業でSEをしても、肝心の開発スキルはあまり成長が見込めないのはデメリットでしょう。

大手企業のSEは多重下請け構造のピラミッドの頂点に立っているので、開発のメインは下請けに任せて、マネジメントを中心に行うケースが少なくありません。

マネジメントスキルを磨いてプロジェクトマネージャーを目指す人にとってはドンピシャの仕事ですが、プログラムを組む工程が楽しいと感じる人は、もしかすると大手にはあまり向いてないかもしれません。

また、中小企業SEは要件定義から開発・テストまで様々な仕事を任されるので、自然とスキルが身につきやすいのですが、生活の安定を考えて大手企業に転職した結果、スキルが身につく仕事を全然できず「やっぱり中小企業の方が楽しかった」と後悔する人は一定数います。

プロジェクトマネジャーはSE関連の仕事でも屈指の平均年収をほこるので、将来的にPMを目指したい、年収をアップしたいという方であれば、大手企業のSEは最高の環境かもしれません。

仕事に面白さを感じられないことがある

大手企業に勤める社内SEの通常業務はシステムの運用や保守が中心になりやすいので、仕事の面白さを感じられないのもデメリットでしょう。

せっかく高い倍率を勝ち抜いて大手に転職しても、システム開発の仕事が好きな人は中小IT企業にいた頃のような楽しさを感じることができず、1年・2年と勤めるうちに仕事に嫌気がさしてしまうケースも少なくありません。

仕事の面白さよりもひとつの会社のシステムを動かして、行く行くは経営面にも関わって幹部になりたい、というような希望を持つ人は大手企業のSEが向いているといえます。

大企業特有の社内の雰囲気に馴染めない

大企業が持つ特有の雰囲気に馴染めず、転職を後悔するSEも多いです。

中小IT企業は全体的に自由な雰囲気があり、年功序列や社内政治が繰り広げられているような会社はほとんど見かけません。

ところがスタートアップから急成長して大手になった企業などを除き、古くからある大手企業は中小企業と違い企業体質が色濃く出ています。

時には仕事の結果や効率よりも相手をいかに蹴落とすかを考えたり、正論であっても敵対派閥の言葉だから受け入れないといったことが平然と行われます。

大企業特有の病とも言える環境がまったく肌に合わず、転職を後悔するSEも少なくありません。

仕事のフットワークが重い

大手企業のSEは上流工程の仕事が中心となり、一つひとつの案件の規模も大きいためフットワークが重いのも注意が必要でしょう。

中小企業のSEだと小さな案件も多いので、スピード感のある仕事をこなしてスキルを高めていくことができるでしょう。

しかし大手企業では一つの案件を終わらせるまで1年単位の期間がかかることも珍しくありませんし、下請けとも関わるので報告待ちのような時間も発生するので、仕事のフットワークは非常に重たいです。

社内で使われているシステムが古い

大手企業はシステムの刷新が難しいため、他の中小企業では考えられないほど古いシステムを使っていることがあるのもデメリットでしょう。

景気のよかった頃は5年に一度の頻度でシステムが刷新されていたのですが、莫大な費用がかかってしまうので企業によっては20年以上も前のシステムを未だに使っていたりします。

そのため、作業効率が悪かったり、セキュリティに問題がある、それを指摘してもシステムの刷新を経験している社員がいなかったりと、ちょっとした地獄が形成されていることがあります。

古いシステムの元で非効率かつスキルアップにも繋がらない仕事をし続けるのは、人によってはストレスになるでしょう。

顧客と下請けの板挟みになりやすい

大手企業ではシステム開発をする際に、自社だけでなく複数の下請けに作業を依頼することが多いです。

そのため、システム開発を依頼してきた開発と、下請けの会社の間で板挟みになりやすいというデメリットがあります。

例えば顧客から納期の短縮を求められたり、急な仕様変更を要求された場合、大手企業のSEが下請けにそれを伝えることになります。

しかし、納期の短縮や急な仕様変更を伝えても、当然ですが大半の下請けは「無理です」「厳しいです」と難色を示しますが、顧客はこちらや下請けの都合なんて考慮しません。

その結果、顧客と下請けの板挟みにあい、特に下請けには自分の手を汚してブラック化を強要することになるので、人によってはストレスで精神を病んでしまうこともあります。

大手企業SEの転職にエージェントがおすすめの理由

先ほど、大手企業にSEとして転職する方法として、転職エージェントがおすすめと紹介しました。

ここではエージェントがSEの転職におすすめの理由を、詳しく紹介していきます。

効率よく転職先を見つけられる

転職エージェントに登録すると、キャリアコンサルタントが自分の希望に沿った転職先をピックアップして紹介してくれるので、効率的に転職活動を行うことができます。

SEやプログラマとして働きながら転職を考えるときにネックになのが、転職活動をする時間がないことですが、エージェントに登録すると応募書類の提出や企業とのやり取り、スケジュール調整、内定後の入社日調整などを代わりにやってもらうことができます。

思い切って会社を辞めてから転職先を探す場合、貯金や失業保険の期限を気にしながらになるので精神的な負担が大きいですが、転職エージェントに登録すれば応募から面接・内定・入社までサポートしてもらえるのでスムーズです。

IT業界出身のキャリアコンサルタントが担当につく

IT転職に強いエージェントに登録することで、IT業界出身のコンサルタントが担当につくのもメリットでしょう。

ハローワークでは非正規雇用の相談員が転職相談に対応するので、年配でIT企業の事情を全く把握していないおじさんが担当者についたり、IT用語を使って業務内容を伝えても理解できないケースが多いです。

しかし、転職エージェントであればIT出身のコンサルタントが担当になるので、IT用語を交えて説明しても通じますし、IT業界ならではの事情も理解しているので、質の高いサポートを受けられます。

残業の多さや人間関係といった内部情報を教えてもらえる

転職エージェントに登録すると、「この企業は残業が多い」「この企業は女性SEが育休後に短時間勤務をできている」、「有給取得率は98%」といった内部情報を教えてもらえるのもメリットでしょう。

大手企業のSEを目指す人は仕事のハードさを気にしていると思いますが、「ハローワークや転職サイトでは企業の内部情報まで把握することができません。

しかし、転職エージェントの場合は、コンサルタントを通じて自分では聞けない企業の内部情報を教えてもらえるので、転職後に後悔をする確率が非常に低くなっています。

応募書類の添削や模擬面接も受けられる

転職エージェントに登録すると、キャリアコンサルタントに応募書類の添削や、模擬面接をお願いすることができまるのもメリットです。

転職を成功させる上で、応募書類の書き方や面接での対応は言うまでもなく重要です。

転職エージェントに登録するとプロの視点から履歴書や志望動機、面接での受け答えなど様々なアドバイスをもらえるので転職の成功率は大幅に上がるでしょう。

無料で使えて好条件の非公開求人がある

転職エージェントはここまで紹介したサービスを無料で利用ができて、好条件の非公開求人があるのもメリットでしょう。

転職エージェントは採用時に企業から紹介料として報酬を受け取るビジネスモデルなので、利用者は無料で全てのサービスを使うことができます。

さらにハローワークやインターネット上に公開されていない、会員限定の非公開求人も多数用意されており、通常の求人より好条件になっています。

このように転職エージェントに登録するメリットは大きいので、休日の半分を登録のために費やしても良いでしょう。

また、登録時には適正テストやキャリアコンサルタントによるカウンセリングなどもありますが、長くても2時間ほどで終わりますので安心して下さい。

大手企業のSE転職におすすめの転職エージェント

転職エージェントに登録する際は律義に1社に絞らず、2~3社の転職エージェントを併用しながら転職活動をするのがベストです。

1社だけだと担当したキャリアコンサルタントと相性が合わない場合は悲惨なことになりますが、複数の転職エージェントに登録しておけば、A社がダメでもB社の信頼できるキャリアコンサルタントと協力して転職活動をすれば問題ありません。

大手企業のSEへの転職を考えるのなら大手転職エージェントから1社、IT業界の求人に特化した転職エージェントから1社、ハイクラス人材に特化した転職エージェントから1社というように、異なるエージェントを1社ずつ選ぶのもひとつの方法です。

大手転職エージェント4社

大手企業のSEへの転職を考えるなら、「リクルートエージェント」や「doda」「マイナビエージェント」の大手転職エージェントを、最低でも1社押さえておいた方が良いでしょう。

大手転職エージェントは抱えている求人数が圧倒的に多く、全体的に求人案件の質も高めです。

中堅レベルのエージェントと比べて10倍以上の求人を抱えていることも珍しくないので、登録は必須です。

IT特化の転職エージェント2社

大手企業のSEを目指す人が次に登録しておきたいのが、IT業界の転職に特化した転職エージェントです。

IT業界に特化した転職エージェントと言えば、代表的なのは「レバテックキャリア」「Direct type」です。

キャリアコンサルタントに元エンジニアも多く、IT業界に精通しているので内部事情も把握していますし、専門用語を使っても的確に把握してもらうことができます。

SEの転職という面においては最高峰のサービスが受けられるので、やはり1社は登録しておきたいところです。

大手企業求人が多いハイクラスの転職エージェント3社

大手企業の高収入SE案件を探している人には、「ビズリーチ」や「JACリクルートメント」「リクルートダイレクトスカウト」などのハイクラス人材に特化した転職エージェントがお勧めです。

たとえばビズリーチは3,000人の登録ヘッドハンターがスカウトを行っており、スキル次第で大手企業の方のスカウトを受けることもできるでしょう。

仕事で忙しい人でもヘッドハンターからのスカウトを待つ形であれば、無理なく転職活動ができる点もおすすめです。

ハイクラス向けなだけあって年収も高い求人が多いので、SEで稼ぎたいなら1社は登録しておきたい所です。

大手企業のSEへの転職に関するまとめ

今回は大手企業のSEに転職する際の注意点や、転職成功のための方法などを紹介しました。

中小企業のSEは長時間労働を強いられたり、給与も大手に比べて低いので大手のSEに転職しようと考える人は多いです。

しかし、大手企業のSEへの転職はそもそもの難易度が高く、転職した後に後悔する人がいるのもまた事実です。

紹介したような転職エージェントを活用して事前に内部事情を把握したり、転職のサポートを受けて心から良かったと思える転職先を見つけましょう。