未経験でIT業界に転職は難しい？コツや注意点も解説！
「IT業界は未経験だけれど、給与や将来性を考えるとIT関連に転職したい！」
今回は未経験でIT業界に転職したい方に向けて方法や注意点、転職できる年齢などを紹介しています。
かつてはブラックな印象の強かったIT業界ですが、今は未経験でも活躍できるホワイト企業の求人が増えていますので、当記事を参考に転職を成功させて下さい。
未経験でIT業界に転職は難しい？
結論から言うと、未経験でIT業界に転職するのは難しくありません。
ただ難しくないと言っても、未経験でIT業界に転職する場合は年齢や業種が重要になってきます。
IT業界と一口に言っても様々な業種があるので、未経験でも転職が容易なものもあれば、逆に未経験だと転職が難しい業界もあるので注意して下さい。
以下にIT業界の主な業種を紹介していきます。
IT業界の主な職種を紹介
ソフトウェア業界
ハードウェアの動作を制御するためのプログラムを作成するのが、「ソフトウェア」業界です。
たとえばスマホで“転職 IT業界”と検索するとキーワードに合った記事が出てきますが、この動作を命令しているのがソフトウェアです。
スマホやパソコンを動かすためには、基本的なソフトウェアの仕組みとなる「OS（Operating System）」があり、そのOSに合わせて個々の作業を行うための「アプリケーションソフト」が組まれます。
たとえばＡ企業の基本的なOS（オペレーティングシステム）があるとすると、そのOSに合わせて勤怠管理ソフトや在庫管理ソフトなどのアプリケーションソフトを作成するといった具合です。
こうしたソフトウェア関連の仕事をするソフトウェア業界には、「プログラマー」や「システムエンジニア」「ネットワークエンジニア」などの職業を持つ人たちが働いています。
ハードウェア業界
ソフトウェアがハードウェアの動作を制御するプログラムのことなら、「ハードウェア」業界はパソコンやスマホなどの機器そのものを制御する電子回路などを作っています。
たとえば自動車や冷蔵庫・洗濯機なども、現代ではコンピュータで制御する製品が多く、その際は「組込みシステムエンジニア」が製品に組み込まれるシステムを開発します。
ただし、組込みシステムエンジニアはどうしてもハードウェアの知識が要求されるので、文系出身の未経験者にはハードルが高いでしょう。
電気・電子系の大学出身者が好まれるのは、仕方ないかと思います。
インターネット・Web業界
インターネットの進化と共に急激に発展したのが、「インターネット・Web」業界は、名前の通り企業を対象としたWebサイト制作やネットワークの構築・インターネット広告などを作っている業界です。
他にも個人を対象としたポータルサイトやショッピングサイト・SNSの制作・運営を行う企業もあります。
サイト制作やSNSの運営などに興味がある人は、「Webデザイナー」や「Webプログラマー」「Webディレクター」として活躍することもできます。
ソフトウェア業界に比べて生活に身近で、成果がはっきりとわかりやすいので、「ソフトウェアエンジニアをやっていたけれど、Webの世界の面白さに魅かれて、Webエンジニアに転向した」という人もいます。
システムインテグレータ（SIer）業界
企業の情報システム全体をトータルで請け負うのが「システムインテグレータ（SIer）」業界です。
ソフトウェアとハードウェアを合わせてすべてを引き受けるケースが多く、企業の業務上の問題点を洗い出すことから始まり、どんなハードウェアを選ぶか、どのようにOSを構築するか、管理・保守はどうするかといったことをトータルでアドバイスしたり実践します。
システムインテグレータで活躍するのは、企業の問題解決に臨む「ITコンサルタント」や、企業に自社の製品をアピールすると共に課題解決の提案を行う「セールスエンジニア」などです。
もちろんこれらの職種は、エンジニアとしての経験が豊かな人でないとなれません。
そのため、未経験からIT業界を目指す人は、自身のキャリアアップの先にこうした職種を目指すかどうかを検討し、「そのためには今どんな職種を選んだら良いか？」を考える必要があるでしょう。
未経験でも転職しやすいIT系の業種
「ソフトウェア」業界
未経験からIT業界に入るとしたら、まずは「ソフトウェア業界」を目指すと良いでしょう。
企業のOSやアプリケーション開発に携わるプログラマーなどが代表的で、未経験OKの求人も比較的多く出ています。
インターネット・WEB業界
インターネット・WEB業界も未経験からのIT転職におすすめです。
Web制作やSNSの運営、コンテンツの作成などは未経験でも比較的仕事がやりやすく、ソフトウェア業界と同様に未経験OKの求人が多く出ています。
興味があるのかで、進むべき道は変わってきます。
AIやIoT関連もおすすめ
未経験でIT業界に転職するなら、これから伸びる可能性のあるAIやIoT関連のIT企業も、狙い目と言えます。
AIやIoT業界は経験者だと「自分は企業のシステム開発の分野をずっとやってきた」といったキャリアの道筋があるので、そこから外れた新分野にはなかなか進むことができません。
しかし未経験は「何にも染まっていない」ので、余計な先入観なく知識を身につけることができるでしょう。
新分野に挑戦する意気込みを企業に見せると、「今は未経験でも、これから活躍してくれるだろう」と評価してもらえる可能性もあります。
プログラミング言語に関しても、「これからはRython言語が主流になるので、Rythonができるエンジニアが欲しい」と思っても、経験者は「自分はJavaとC言語だから」といった得意の言語をすでに持っていて、新しい言語になかなか挑戦しないといった傾向もあります。
データサイエンティストやセキュリティエンジニアも未経験の需要がある
これから急速に伸びると予測されているのが、「データサイエンティスト」や「セキュリティエンジニア」などの職種で、まだ経験者が少ないため未経験者を採用する企業が多いです。
自社の教育・研修システムを使って一人前のエンジニアに育成しようと考える企業もあり、そこに乗っかることもできるでしょう。
未経験から転職できるIT業界求人の割合は？
全体の2割程度
では未経験から転職できるIT業界の求人はどのぐらいあるのかというと、全体の2割程度です。
IT業界の求人募集の8割は経験者募集のため、一見すると未経験での転職は難しい印象を受けるかもしれません。
しかし、IT系は慢性的な人材不足に悩まされており、将来的には約79万人もの人材が不足すると言われているので、実は未経験でも転職が容易だったりします。
能力さえあれば未経験でもIT系への転職は難しくない
経済産業省が2016年に発行したニュースリリース「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果を取りまとめました」によると、2016年時点のIT人材数は約90万人、不足数は約17万人となっています。
そしてこのままIT市場の成長が順調に進むと、2020年には36.9万人、2030年には78.9万人の人材不足が起こり得ると試算していました。
参考：https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/daiyoji_sangyo_skill/pdf/001_s02_00.pdf
まるで働く人のほとんどがIT人材になってしまうのではないかと思うほど、すごい勢いです。
そのため、いま「未経験者だから、IT業界に入れるだろうか？」と悩んでいる人は、能力さえあればどこかのIT企業に必ず入れると思っても、間違いないでしょう。
企業はできれば未経験でなく経験者がほしいのが本音
ただし、IT企業の本音としては「できれば経験者がほしい」というのも事実です。
とはいえ経験者の人材は容易に確保できないので、仕方なく未経験者を雇っているという背景があります。
中小のIT企業は、「仕事はあるけれど社員が足りない」ので、未経験者はその人材難を活かす形でIT業界に転職できるのです。
未経験でIT業界への転職は難しくないものの、「企業の本音は経験者を求めているのだ」ということは自覚しておいた方が良いでしょう。
IT業界に未経験で転職できる年齢は？
20代は問題なく転職できる
20代であれば、未経験であってもIT業界への転職は容易となっています。
職種によっては、せいぜい未経験者は20代前半までというケースもあるでしょう。
しかしIT業界の場合は、先に話ししたように深刻な人材不足が背景にあるので、20代後半の未経験であってもやる気や能力があれば問題なくIT業界に入ることができます。
これは未経験でも、「まだ20代だし、これからがんばって活躍してくれるだろう」という期待が、企業側にあるからです。
30代でもエージェントを活用すれば未経験で転職できる
IT業界の場合、未経験であっても30代であれば受け入れてくれる企業が多いです。
ただし、20代と違って“真っ白な状態で未経験から転職”となると少々厳しいものがあるでしょう。
「ITパスポート」といった有用な資格を取得しておいたり、プログラミング言語の基礎的な知識ぐらいは持っていると有利です。
独学でアプリを作った経験があるというのも、アピールポイントになります。
また、30代の場合は未経験で自分ひとりで転職先を探してもかなか決まらずに、ブラック企業にはまってしまう危険性があります。
そのため、未経験のIT転職に強い転職エージェントに確実な転職先を紹介してもらうのがベストです。
40代で未経験からIT業界に入るのはやや厳しい
40代で未経験からIT企業に入るのは、さすがに難しいのが現実です。
年齢的に新しいことを吸収しにくくなりますし、マネージャーが10歳年下で「40代は使いづらい」と言われてしまうこともあります。
それでもどうしてもIT業界に転職したい場合は、いきなりIT業界に転職して正社員になることを考えるのでなく、プログラミングスクールに通ってスキルをマスターしたり、フリーランスで仕事を見つけるのも手です
フリーランスなら年齢が原因でハネられることはありませんし、経験を積むこともできます。
40代ともなれば前職のスキルがあるので、「物流関係の生産管理の仕事をしていた」という人は、物流関係のアプリケーションを作る仕事を目指すのがおすすめです。
ただ、40代で未経験の職業に就くのは並大抵の努力ではできないので、茨の道を進む覚悟があるかどうかが、未経験でIT業界への転職に成功できるか否かの分かれ道になります。
未経験でもIT業界の営業職には転職できる？
営業は素養があればIT未経験でも転職可能
IT業界の営業職は素養次第で十分に転職することが可能です。
IT業界未経験でいきなりITエンジニアを目指すのは難しくても、異業種での営業経験がある方は十分に転職を狙えるでしょう。
業界的に営業の相手先が企業なので、「飛び込み営業をやらされる」「毎日ずっと電話をかけ続ける」といった辛さはほとんどありません。
ITの経験よりもクライアントへの提案力が求められる
IT業界の営業は、経験の有無よりもクライアントへの提案力が重視されます。
この背景も、IT未経験であっても能力さえあればIT企業の営業への転職が狙える理由です。
ただし、ITに関するある程度の知識や業務改善への提案力などは求められるので、最低限の知識は身につけておきましょう。
未経験でIT業界へ転職するコツやポイント
まずどんな仕事をしたいのかハッキリさせる
ひと言で「IT業界」と言っても、職種はさまざまあります。
いったんIT関連の企業に転職をすると、そこからキャリアアップの道筋がスタートするので、「本当はアプリの開発がしたかったのに、間違えてソフトウェア開発の仕事に入ってしまった」と後から思っても、その時点で転向するのは難しいものがあります。
まずはIT業界にどんな仕事があるのかを把握し、自分がやりたい仕事は何かをはっきりさせることが大切です。
転職前にスクールに数ヶ月通っておく
一概には言えませんが、プログラミングスクールに数ヶ月通ってから転職するのは、おすすめの転職方法といえます。
未経験の人がIT業界への転職を考える場合、「未経験可」の求人募集に白紙の状態から転職活動をするよりも、スクールに通った経験がある方がより有利だからです。
企業側としては「少しでもいいからスキルを持った人を雇いたい」と思うので、採用される確率が上がるのも当然の話でしょう。
転職エージェントを活用する
IT業界の転職に強い、転職エージェントを活用するのもおすすめです。
IT業界への転職といっても、IT企業ならどんな会社でもいいというわけではなく、世の中にはブラックなIT企業がたくさんあります。
しかし、転職エージェントはコンサルタントが厳選された良質な求人を紹介してくれるので、ブラック企業を引いてしまう確率が低いです。
また、ハローワークやネット上にはない非公開求人を多数持っているので選択肢が豊富で、中には大企業や人気企業、好条件の企業もあるので転職エージェントに登録するのは非常におすすめです。
転職エージェントのメリット
転職エージェントのメリットは求人の質が優れていることに加え、履歴書や職務経歴書をチェックしてもらえることでしょう。
希望すれば模擬面接もしてくれるなど至れり尽くせりのサービスを受けても、利用は完全無料です。
そのため、利用しないのはもったいないかもしれません。
転職サイトを活用する
転職エージェントと並行して、IT系に強い転職サイトを活用するのもおすすめです。
転職サイトはエージェントのようにコンサルタントはつきませんが、自分で自由に求人を探すことができます。
「IT 未経験」といったワードで検索することで、出てきた求人の中から自分の理想の企業に応募することが可能です。
ポートフォリオを作成する
応募する前にポートフォリオを作成しておくのも、未経験でIT業界への転職を成功させるコツです。
ポートフォリオは自分の実績をまとめたものののことで、転職時に提示することで能力をアピールすることができます。
ITは未経験であっても、前職などの経験を上手く応募先の求めている人材に絡めてアピールすることで、採用される確率がぐっと上がるでしょう。
やる気のアピールにも繋がります。
未経験でIT業界に転職する際の注意点
ブラック企業は絶対に回避する
未経験でIT企業に入れるとは言っても、とんでもないIT企業に入ってしまうと大変なことになってしまうので、注意が必要です。
IT業界にはいまだにブラック企業が多く、間違ってそんな企業に転職してしまうと、「毎日終電」「休日出勤は当たり前」「安月給」「福利厚生ほとんどなし」といった、三拍子も四拍子も悪条件が揃った環境に陥ってしまう危険性があります。
ブラック企業につかまってしまわないためには、企業の情報をしっかりとチェックして、本当にブラックでないかどうかを冷静に判断することが大切です。
ブラック企業ではないことを判断するチェックポイントとなるのが、次のような情報です。
- 創立してからある程度の年数が経っているか？
- 売上は順調に上がっているか？
- 社員の平均年収は高い方か？
- プロダクトマネージャーや営業マンの能力は高そうか？
- 二次請け・三次請けではなく、直請けの仕事をしているか？
- 社員の顔は疲れていないか？
- 社内の空気が澱んでいないか？
希望する職種の情報は調べておく
未経験であっても、最低限転職を希望する職種の情報は調べておきましょう。
知識があれば転職後にスムーズなだけでなく、面接時の質問にもしっかり受け答えすることができるからです。
用語などもある程度把握しておくと、未経験であってもやる気があると思われて採用されやすいです。
SES企業はなるべく回避する
SESとは、「技術者派遣業」のことで、要するに採用先でなく派遣先で仕事をするエンジニアです。
IT業界ではブラックかつ薄給の代名詞となっており、未経験での転職先としてはまったくおすすめできません。
いざ入社したら求人の内容と全く違うことを任されたり、そもそもSESであることを伏せて募集するような企業もあるので要注意と言えます。
ブラックで経験者は誰もやりたがらないので、未経験を狙って多数の求人が出ているのも、注意が必要なポイントです。
IT業界から未経験で転職する際に評価されるスキル（追加）
ITパスポート
ITパスポートとは、IT系の国家資格の代名詞で、取得することで未経験でも転職が非常に有利になります。
令和3年には応募者が100万人を超えているほどの人気資格で、むしろ取得していないと不利になる可能性すらあります。
PCスキルを証明することができる資格なので、IT系に限らず未経験で事務系の仕事に転職する場合も有利です。
基本情報技術者
基本情報技術者とは、情報処理に関する技能があると証明できる資格です。
未経験でプログラマーやエンジニアを目指している方は、取得していると転職で有利になるでしょう。
実際に未経験からIT業界に転職した人の口コミや体験談
ここからは実際に未経験でIT業界に転職した方の、口コミや体験談について紹介していきます。
これからIT漁翁会への転職を検討している方には非常に参考になると思うので、確認して下さい。
未経験だったIT業界に転職して一年。新たに得た知識やスキル、多様な視点、機会を考えると、自分の判断は正しかったと思う。コンフォートゾーンから抜け出して良かった。— Ericto (@noncareerlife) January 5, 2023
31歳でコロナ禍の未経験転職。IT企業のマーケティング職へ。今は広報も。叶ったきっかけはTwitterだった。当時のアカウントで転職活動の様子を発信。それを見た方からお声がけいただき、今の会社へ。転職サイト・エージェントも良いけれど。転職成功のツールとしてSNSの効果は絶大。お悩みの方はぜひ。— もも｜HSPで楽しく生きる (@momo__hsp) December 8, 2021
IT業界未経験から転職成功して調子に乗ってた。最初の3ヶ月は自分と現場のレベルの違いに圧倒されて自信を無くしてた。エンジニア転職までをゴールにしてる人は多いかもしれんけど勘違いしたら危ないよ。スタート地点やから。その先に何を得たいかを考えると調子に乗らずしっかり成長できる！— れんのすけ｜独立初年度月60万エンジニア (@ren_0826_winwin) March 18, 2022
転職活動に本気だった時期、働きながらプログラミングを毎日5時間、3ヶ月勉強した。
その結果、内定倍率10倍を勝ち抜き、未経験からIT企業に転職成功。あの時、頭を抱えて叫び、5時起きで毎日努力してきてよかった。1年前の9月。転職を決意してくれた自分に感謝しかない。— しらかわ@博多の元教員LINE集客パートナー (@shirakawa_1995) December 16, 2021
以上が未経験でit系に転職した方の体験談でした。
勇気を出して転職をした結果、多くの方が後悔せず、人生が良い方向へと向かっているようでした。
IT系は将来性のある業界なので、悩んでいる方はこの機会に一歩踏み出してみても良いでしょう。
IT業界に未経験で転職するコツに関するまとめ
今回はIT業界に未経験で転職することは難しいのかや、年齢や転職のコツなど紹介しました。
未経験からIT企業を目指す場合、自分ひとりで転職先を探すのではなく、転職エージェントのアドバイスを受けながら転職活動を行うことで、後から「こんなはずじゃなかった」と後悔するリスクを最小限に抑えることができます。
IT人材を求めている企業は山ほどありますが、中にはブラックもあるので注意しつつ理想の転職を成功させましょう。
