上司に会社を辞めろと言われた時の対処法!会社都合の退職にするのが重要
一生懸命働いていたのに上司や社長から突然「辞めてほしい」と言われてしまう方は少なくありません。
会社の身勝手さに腹が立つと思いますが、対応を一つ間違えると100万円以上ももらえるお金に差が出てしまいます。
そこで当記事では「会社を辞めろ」と言われた時に損をしないために知りたい、対処法を紹介していきます。
上司や社長に突然「会社を辞めろ」と言われた時の対処法
絶対にすぐ返事をしない
会社から「辞めろ」と言われたときには、絶対にその場で返事をしてはいけません。
突然上司や社長に「会社を辞めろ」と言われると、思わずカッとなって「わかりました!こんな会社にいたくないので辞めます!」と言ってしまいたくなるでしょう。
あるいは、上司から強く言われるとイヤとは言えず了承してしまう人もいるかもしれません。
しかし、その場で了承をしてしまうと理不尽ですが会社都合ではなく、自己都合の退職になりあなたに不利です。
自己都合でなく会社都合の退職に持っていく
会社都合の退職は待期期間7日+1ヶ月後に失業手当をもらうことができ、給付日数も90日~330日と非常に長いです。
しかし、自己都合の退職になると待期期間7日間+約3ヶ月後まで失業給付を待たなければならなくなり、給付日数も90~150日と大幅に短くなってしまい非常に不利です。
また、会社を辞めてしまうと、その日から収入はストップになるので、失業給付を受け取るまでの日数が長いとその間の生活に困るでしょう。
次の仕事が見つかるまでどのぐらいかかるかわからないことを考えると、失業給付の期間は長ければ長いほど安心でしょう。
さらに会社都合で辞めることによって、失業給付以外に「解雇予告手当」という特別な手当を、給与の約1ヶ月分受け取ることもできるのも大きいです。
必ず退職勧奨でないか確認する
退職勧奨と解雇は、受けられる手当が異なってくるので、この退職が解雇なのか退職勧奨なのかも忘れずに確認しておきましょう。
会社から突然「辞めろ」と言われたとき、本人は「当然これは解雇だろう」と思うかもしれませんが、会社は出費を抑えたいので解雇として扱うつもりでない可能性が高いです。
本当に解雇するつもりであれば、安易に本人に「辞めろ」などと、挑発的なことは言わないからです。
そのため、上司や社長に「会社を辞めろ」と言われたときは、解雇なのか退職勧奨なのかを確認しましょう。
解雇も退職勧奨も納得できなければすぐに応じる必要はない
解雇というのは、会社の就業規則で決められている解雇基準によって、会社が社員に対して解雇通知をすることです。
対する退職勧奨は会社が辞めてほしいと思う社員に対し、退職のための条件を提示し、社員がこれに応じたときに退職が成立します。
つまり、会社としては、就業規則に決められたことを社員が守っていれば、解雇をすることはできません。
退職勧奨の場合も社員がそれを認めなければ、退職は成立しません。社員というのは、それだけ強い立場なのです。
会社に「解雇ですか?退職勧奨ですか?」と訊ねたときに、もしも解雇だと言われたら、その理由をしっかりと聞いて話し合いましょう。
会社の就業規則にない理由であれば、当然ながら不当解雇にあたるため退職を受け入れる必要はまったくありません。
納得できない場合は弁護士や労働基準監督署に相談する
また、正当な解雇理由があると会社から言われても、それが正しくないと思えば、すぐに受け入れる必要はありません。
悪質な場合は弁護士や労働基準監督署に相談するなど、何らかの方法で第三者を入れて話し合うことが大切です。
そして退職勧奨だと言われた場合は、会社から条件を提示された上で応じるか否かを検討することになります。
退職勧奨の条件は、退職金の増額などが提示されるケースが多いのですが、交渉次第では増額されることもあります。
会社都合でも自己都合退職を迫る会社が多いので要注意
会社から「辞めろ」と言われたときに、解雇か退職勧奨かを確認すると書きましたが、実際のところは解雇でも退職勧奨でもなく、「何とか自己都合で辞めさせたい」と考える企業が少なくありません。
なぜなら、社員が会社都合で辞めると厚生労働省の助成金が出なくなったり、会社の信用が落ちてしまうといったリスクがあるためです。
そのため、「会社を辞めろ」と言ったときにすんなり社員が辞めてくれれば、自己都合になるので会社としては万々歳です。
逆に「それは解雇ですか?退職勧告ですか?」などと賢く切り返されると、「この社員は簡単に辞めそうもないな。面倒なやつだ」と煙たがられるでしょう。
しかし、上司から「会社を辞めろ」と言われた時点で、これはもう紛れもない会社都合です。
たとえ会社から「自己都合で辞めてほしい」と言われても、遠慮することなく会社都合を主張して構いません。
ただし、会社都合で退職をすると今後の転職に不利に働くケースもあるので、その辺はくれぐれも慎重に行う必要があります。
もし転職するならエージェントを活用する
会社を辞めろと言われて転職を決断した人は、ハローワークでなく転職エージェントを利用して転職活動を行うのも大切です。
転職エージェントには、ハローワークにはない多彩な求人や、好条件の会員限定の非公開求人がたくさんあります。
例えば転職最大手のリクルートエージェントは、80%が会員限定の非公開求人なので、登録をするメリットが非常に大きいです。
また、転職エージェントを利用すると専属のコンサルタントがつくので、転職先を紹介してもらうだけでなく、面接や履歴書に関する相談にも乗ってもらえます。
面倒でなければ2~3社の転職エージェントに登録して、その中から信頼できるキャリアコンサルタントを見つけるのがベストでしょう。
辞める際に会社都合、自己都合退職でもらえる給付金を比較
自己都合の退職:最大で3ヶ月分
まずは会社から突然「辞めろ」と言われたときに「はい、わかりました」と了承してしまい、自己都合の退職になった場合の給付金を紹介します。
会社に7年間勤務した31歳・月給30万円の人が、失業でもらえるお金は以下のような計算になります。
失業給付 約20万円×3ヶ月=約60万円
自己都合で辞めた場合は、トータルで約60万円を受け取ることができます。
この数字をよく覚えておいてください。
画像出典元:ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
会社都合の退職:最高で6ヶ月分
次に会社から「辞めろ」と言われても即答せず、がんばって会社都合の退職にできた場合の給付金を紹介します。
条件は同じく会社に7年間勤務した31歳・月給30万円の人です。
失業給付 約20万円×6ヶ月=約120万円
解雇予告手当 30万円
約120万円+30万円=約150万円
合計で150万もの手当をもらえることになり、自己都合の60万円と比較すると90万円もの差が生まれてしまいます!
画像出典元:ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
最大で自己都合退職の4倍も給付金がもらえる
会社都合の退職の場合、自己都合でもらえる金額の4倍もの手当を受け取ることが可能です。
会社に対して解雇の正当性を問う裁判や、団体交渉などを実施することで最低でも3ヶ月程度の給与を受け取ることができます。
この30万円×3ヶ月分=90万円を先程の会社都合の退職にプラスすると、150万円+90万円=240万円もの金額を受け取ることが可能です。
このように会社都合で辞める場合と自己都合で辞める場合とでは、もらえるお金にかなりの違いが生じるので、会社から突然「辞めろ」と言われた場合は、何があっても返事をしないことが鉄則です。
突然辞めろと言ってくる会社はやめるべき?残るべき?
突然辞めろと言う会社はブラックなのでやめるべき
突然「会社を辞めろ」と言われた場合、基本的に辞めた方が良いでしょう。
今の会社がどんな体質の会社なのか、長年勤め続ける価値があるのか、これから10年後・20年後に自分の人生がどうなっていくのか、本気でシミュレーションしてみましょう。
そもそも社員に突然「辞めろ」と言ってくるような会社はブラックなので、そんな会社にしがみつき、上司の冷たい視線を浴びながら働き続ける意味はないでしょう。
そんなブラックな会社とは一日も早くおさらばして、次へのステップを踏んだ方が賢明な選択と言えるかもしれません。
ブラックな会社に何年勤めたところで明るい未来は待っていませんので、1歳でも若いうちに転職を考えた方が、後々の自分にとって良い結果になることは明白でしょう。
「それでも残りたい」と思うなら会社と交渉する
とはいえ、年齢や家庭の事情などさまざまな理由で会社を辞められない事情がある場合は、強い意志のもとに会社と交渉を行いましょう。
その際、会社に対して自分に辞める意思がないことを口頭ではっきりと伝えるのも大切です。
その上で会社側が「辞めろ」と迫ってくるようであれば、労働基準監督署に相談するのもひとつの方法です。
会社のやり方が悪質だと判断されれば、解決のために動いてくれる場合もあります。
ただ辞めさせてくるような会社に無理をして残っても出世は望めませんし、扱いも決して良くない確率が高いので、転職先が見つかったら適当なタイミングで辞めた方が精神衛生上は良い可能性が高いでしょう。
会社から辞めろと言われた時の対処法まとめ
会社から突然「辞めろ」などと言われると大きなショックを受けるでしょうし、この先どうしたらいいのか途方に暮れる人もいるかもしれません。
しかし、会社から「辞めろ」と言われたことは、考えようによっては手当付きで今の会社から抜け出す絶好のチャンスと捉えることもできます。
会社都合で辞めることができれば長期間の失業手当や給付金を使って、じっくりと転職活動を進めることもできるでしょう。
今度こそ会社選びを間違えないように、あらゆるところにアンテナを張って、心から満足できる転職先を見つけましょう。