転職で残業なしの仕事をしたい人必見!見つける方法や嘘求人の見抜き方
体調や家庭のことを考えて残業なしの仕事に転職したいと思っている方は多いでしょう。
ただ残業大国の日本では、おいそれとは残業のない会社を見つけることができません。
そこで本記事では残業のない仕事に転職する方法や、残業なしの嘘求人の見分け方などを徹底解説します。
転職で残業なしの求人を見つける方法!
求人票の残業時間がゼロで離職率も低い
求人票の残業時間が0時間、または4時間/月程度になっていて、離職率も低い会社は残業なしの可能性が高いです。
求人票で残業なしとなっていても離職率が高い会社は、実際に入社すると残業が非常に多く、そのせいで離職者が後を絶ちません。
あるいは実際に残業が少なくても、次々と人がやめてしまうようなヤバい要因が潜んでいるでしょう。
しかし離職率が低い会社はそれだけ従業員の不満が少ないということなので、本当に残業なし、あっても多少程度というホワイト企業である可能性が非常に高いです。
法人を対象に事業を行っている
一般的な顧客でなく、法人を対象とした事業を行っている会社も残業なし、またはあっても少しということが多いです。
これは取引先企業の就業時間が過ぎれば出来ることがないためこちらも仕事を終わらすことができたり、余裕を持ったスケジュールで納入日などが設定されているためです。
サービス業のように一般人が対象だと向こうの我儘や都合で仕事を振り回されがちですが、取引先が企業であれば時間外での仕事は発生し辛いでしょう。
ベンチャー企業を狙ってみる
残業なしの転職をしたい方は、設立して数年ほど経過したベンチャー企業を狙ってみるのもおすすめです。
INOUZTimes編集部が全国の従業員100人未満の企業の経営層100人を対象に、働き方に関するインターネット調査を行った所、「定時を過ぎても仕事に熱中している若手社員がいたとします。長時間労働を抑制するため、帰宅するように命じますか?」という質問に対して、「Yes」と答えた人は66人と、なんと7割近くにも及びました。
さらに、「残業を減らす取り組みをやっていますか?」という質問に対しては、「No」と答える経営層がほとんどいなかったようです。
若手の社長がいるベンチャー企業は日本企業の悪習を嫌っていることが多いので、歴史ある大企業でなくむしろ新しいベンチャー企業の方が定時に帰れたりします。
みなし残業制度のない会社を探す
悪名高いみなし残業制度のある会社は、言うまでもなく規定以上の残業があるので、みなし残業制度のない求人を探してみるのもおすすめです。
特にみなし残業制度がなく、求人票に書かれている残業時間も少ない会社は狙い目と言えるでしょう。
「みなし残業60時間あり。月の残業はほとんどありません」と書いているような求人は嘘である可能性が高いので要注意です。
転職エージェントに相談する
残業なしの仕事を探している人は、企業の内部事情に詳しい転職エージェントに相談してみるのもおすすめです。
気になる求人があれば、残業時間を聞くことで「月末以外はほぼ定時で帰っていますよ」といった生の情報を教えてもらえます。
残業なしの転職先を見つける方法は、他にもハローワークや転職サイトがありますが、自分だけではその会社が本当に残業がないか判断することは難しいです。
会社によっては「残業ほぼなし」と募集要項に書いておきながら、実際は残業だらけというケースも珍しくないからです。
その点、転職エージェントは企業とのつながりが深いので、本当に残業がない会社か事前に判断することができます。
最後は根気強く探し続けるのが重要
日本は残業大国のため、残業のない会社に転職したいなら最後は根気が必要です。
残業がほとんどない企業は全体でみて1割以下なので、簡単に見つからなくても諦めずに探し続けましょう。
そうすれば残業がなく、その他の条件も納得できる会社と出会えるでしょう。
また、本気で残業のない会社に転職したいなら、ハローワークや転職サイトで応募せず、「転職エージェントに相談する」というひと手間をかけることをおすすめします。
一般的に残業なし、残業の少ない仕事ランキング
次に一般的に残業なし、残業がすくない仕事をランキング形式で紹介していきます。
データは大手転職サイトの「doda」が、15,000人の労働者を対象に行なった調査を元にしています。
例えば「秘書」は月の平均残業時間が10.5時間となっていますが、これには残業なしの秘書から、残業が40時間ある秘書も含まれている数字となっています。
そのため、実際に求人を探して見れば、残業がほぼないものも数多く出てくるので安心して下さい。
順位 | 職種名 | 残業時間/月 ※1 |
---|---|---|
1 | 秘書/受付 事務/アシスタント | 10.5時間 |
1 | 医療事務アシスタント 事務/アシスタント | 10.5時間 |
3 | 営業事務アシスタント 事務/アシスタント | 11.1時間 |
4 | 金融業界の代理店営業 営業職 | 11.4時間 |
5 | 一般事務アシスタント 事務/アシスタント | 11.8時間 |
6 | 金融事務アシスタント 事務/アシスタント | 12.3時間 |
7 | 経理/財務事務アシスタント 事務/アシスタント | 12.5時間 |
8 | 薬事 医療系専門職 | 12.6時間 |
8 | 金融業界の個人営業 営業職 | 13.4時間 |
10 | MR 営業職 | 13.7時間 |
10 | 企画/マーケティング関連事務アシスタント 事務/アシスタント | 13.7時間 |
12 | 総務/法務/知財/広報事務アシスタント 事務/アシスタント | 13.8時間 |
13 | 英文事務アシスタント/翻訳/通訳 事務/アシスタント | 14.4時間 |
13 | 調理/ホールスタッフ/フロアスタッフ 販売/サービス | 14.4時間 |
15 | 分析/評価(素材/化学/食品系) 素材/化学/食品系エンジニア | 14.6時間 |
16 | 品質管理/品質保証(医療系) 医療系専門職 | 15.3時間 |
17 | テレマーケティング/カスタマーサポート/コールセンター 販売/サービス | 15.9時間 |
18 | 美容関連職(理美容/エステ/マッサージ) 販売/サービス | 16.1時間 |
19 | 旅行/宿泊/ホテル/冠婚葬祭関連職 販売/サービス | 16.3時間 |
20 | 貿易事務アシスタント 事務/アシスタント | 16.4時間 |
20 | 販売/接客/売り場担当 販売/サービス | 16.4時間 |
参考元:https://doda.jp/guide/zangyo/
全体として、「事務/アシスタント」系の業種は残業が少ないことが分かります。
そのため、残業なしの仕事で働きたい方は、事務系の仕事を探してみたり、上記のランキングで自分のスキルを活かせそうな業種に応募してみても良いでしょう。
残業なしの会社に転職する際の注意点
実際は残業があるのに「残業なし」と嘘をついてる会社が多い
残念な話ですが、求人票には残業なしと書いていても、実際は大量の残業が発生する会社も多いので注意しましょう。
特にブラック企業は「残業なし」と嘘をついてまで、人を呼び込もうとする会社が珍しくありません。
理由はただひとつ、「嘘をつかなければ人が来ない」労働環境だからです。
残業が多くても給料がいい金融系や、仕事が大変でも魅力的な外資系は常に応募者が多いです。
しかし、何の魅力もなく過酷な残業を強いられるブラック企業は、正直に求人票を作っても誰も行きたいとは思いません。
そこで苦肉の策として、事実無根の「残業なし」という謳い文句で犠牲者を誘い込もうとします。
実際の残業時間より大幅に少なく残業時間を書かれていることがある
また、求人票に残業は月5時間程度と書いていても、実際は60時間の残業があるケースも要注意です。
これもブラック企業に多い手口で、入社後に気づいても手遅れになるので、回避するためには事前の調査やエージェントへの相談が重要になるでしょう。
特にハローワークは残業時間の虚偽をしても、転職サイトのように掲載取り消しのリスクが低いため、悪質な求人が野放しにされており十分に注意が必要です。
会社のごく一部の部署のみ残業がないケースもある
ブラック企業は法律の網をくぐり抜けて人材を確保するため、あらゆる手段を講じています。
たとえば「●●株式会社 IT事業部 エンジニア募集」となっていた場合、実はIT事業に部門がいくつかあって、その内の1部門だけ残業のない部署があったりします。
入社後は一応その部署に配属するのですが、すぐに残業が多い他部署に回されてしまいます。
一度は残業のない部署に配属しているので、「退職者がいたため」など適当な理由をでっち上げられると、労働基準監督署からも監査や指導が入りにくく悪質です。
転職時に残業なしの嘘求人を見抜く方法
口コミをしっかり確認する
「残業なし」の嘘を自力で見抜くには、転職先の情報をこれでもかというほど徹底的にチェックするしかないでしょう。
「転職会議」のような口コミサイトの情報をチェックするのはもちろん、2チャンネルに書かれている口コミも、意外と馬鹿にできません。
インターネット上にはデマも多いですが、複数の人が同じことを言っている場合は根も葉もない噂ではない可能性があります。
もし残業だらけのブラック企業っぽい情報が複数見つかった場合は、他の企業に応募した方が無難かもしれません。
実際に会社に足を運んでおく
本当にその会社が残業をしていないのか、実際に会社に足を運んで確かめるのもおすすめです。
夜に何度か会社の前を通ってみて、電気が消えているかを自分の目で確認してみると良いでしょう。
もし残業がほぼないと求人票に書いているのに、毎日遅くまで電気が点いているようであれば事実と異なることを記載している可能性が高いです。
本気で残業のない会社に転職したいなら、このくらいの努力と慎重さは必須です。
ただし、夜に会社を調査するときは、間違っても社員に気付かれないようにしましょう。
内部事情に詳しい転職エージェントに相談する
先ほども書きましたが、残業のない会社か見抜くには転職エージェントに相談するのがベストです。
担当のコンサルタントが新人で応募先の内情にそこまで詳しくない場合もありますが、ベテランのエージェントであれば実情を教えてくれるでしょう。
また、新人であっても大手エージェントであれば、データベースにその会社の内部情報があったりするので、残業の有無を教えてもらえる可能性があります。
確認するとエージェント経由で先方に残業時間を問い合わせてもらうことも可能ですので、おすすめです。
自分から応募先に残業時間を聞くのは勇気がいりますが、第三者に聞いてもらえばその心配もいりません。
残業なしの仕事に転職すると年収はどれくらい変わる?
基本的に大幅に収入がダウンすると思っておく
残業のない仕事はとても魅力的ですが、収入が大幅にダウンする可能性が高い点には留意しておきましょう。
法定労働時間の1日8時間、週40時間(業種によっては44時間)を超える1.25倍の残業代が出ます。
特に22時以降は1.5倍になるので、毎日深夜まで働いている人がいきなり残業のない会社に行くと給与の振込額を見て愕然するでしょう。
平均で年収が50万円以上は減る覚悟をしておく
残業の多い会社で働いていた人がいきなり残業のない会社に行くと、目安として年収が50万円以上(深夜残業や休日出勤が常態化していた人はもっと多く)減る覚悟が必要です。
今まで残業代の収入で生活をしていた人は、大幅な生活水準の見直しを迫られるでしょう。
基本給が多いほど残業代の恩恵も大きいので、年収500万円だった人であれば一気に年収400万円に減る可能性も十分にあります。
残業なしの仕事に転職するメリット
将来のキャリアアップのために時間を使える
残業なしの仕事に転職する最大のメリットは、浮いた時間で将来のキャリアアップの勉強ができることでしょう。
これまでは多忙でキャリアアップの勉強をする暇がなかった方でも、残業なしの会社にいけば自由な時間が一気に増えます。
一時的に年収が下がったとしても、キャリアアップをすることで残業なしで残業だらけだった前職以上の収入を得るのも難しくないでしょう。
やはり残業代で生活費の穴埋めをするのではなく、スキルアップをして昇給するのが理想でしょう。
趣味に使える時間が大きく増える
残業のない会社に転職することで、キャリアアップだけでなく趣味に使える時間も大幅に増えるでしょう。
これまでは仕事がある日は諦めていた趣味に、没頭することができます。
心や身体が健康になる
残業がない仕事をしているだけで、心や体が健康になるのもメリットでしょう。
過労死という言葉があるように、残業のやりすぎは体を確実に蝕んでいきます。
残業が多いとメンタルを病む原因にもなってしまうので、お金が稼げる以外にメリットはほとんどありません。
筆者も経験がありますが残業のない仕事に就けば、心も体も自分で驚くほど健康的になるでしょう。
結婚を考えている女性は残業なしの会社に転職すべき?
子どもが成長するまでは残業なしの環境がおすすめ
結婚・出産してから子どもが成長するまでの間は、残業をせずに働ける会社がおすすめです。
残業のある会社に転職しても、独身ならばその時点で特に大きな影響はありません。
しかし子育て中は別の部署に異動するなり、仕事を減らしてもらえるなど、何かしら会社側のサポートがあった方が絶対に良いです。
キャリアアップには繋がりにくい点には注意
ただし残業のない仕事に転職する上で考えなければいけないのが、自分自身のキャリアパスです。
子育て中だけ残業がない環境で働けても、それが自分のキャリアに良い影響があるかというと難しいのが今の日本の現実です。
広報の仕事をバリバリとやっていた女性が結婚・出産し、子育てが一段落するまで残業のないバックオフィスで働いた結果、復帰しても出世コースから外れてしまうようなケースは珍しくありません。
会社の配慮は有難いことですし、そうでなければ子育て期を乗り越えることができませんが、残業のない部署に配属されることで自分が望まないキャリアを歩む可能性があることは覚えておきましょう。
目標のキャリアがあるならバリバリ働いた方が良い場合もある
目標のキャリアがある場合、多少大変でも残業のある環境で働いた方が良い場合もあります。
出産して残業のない部署に移ることでキャリアを積めなくなるとしたら、後で後悔することになるかもしれません。
そこで重要になってくるのが、残業があっても妊娠や子育てを抱えている女性への配慮ある職場かどうかという点です。
残業があっても週に何回か時短勤務に対応している、病院や保育園で仕事を柔軟に抜けさせてくれるなど、配慮されている職場であればある程度の残業があっても働きやすいでしょう。
ほとんどの社員が残業なしで帰る「ランクアップ」の事例
では、実際にほとんどの社員が残業なしで帰っている、「ランクアップ」という化粧品関連企業の事例を見ていきましょう。
全員17時退社、持ち帰りの仕事なし、退社後のメールチェック禁止
化粧品関連を中心に手がける「ランクアップ」という会社では、「全員が17時退社、持ち帰りの仕事なし、退社後のメールチェックも禁止」と、徹底して社員のプライベートを大切にしています。
社長は女性で、自分自身が30代の頃に残業まみれになって働いた経験があるとのこと。
限界まで働いて、燃え尽きて辞めていく社員を何人も見続けてきた結果、「社員が辞めない会社を作ろう」と思って創業したのが、この会社なのだそうです。
17時退社の勤務形態なら、長い子育て期を無理なく乗り越えて、働き続けることができます。
女性は出産後長期間残業ができなくなるので、最初から17時退社の設定になっていれば、これほど嬉しいことはないでしょう。
社員がやらなければならない仕事以外はアウトソースする
実際に同社で育休をとって復職した女性の一人は、時短勤務に切り替えたところ仕事が定時に終わらず困ったそうです。
そこで社長に訴えたところ、社員がやらなければいけない仕事以外はアウトソースするようになったとか。
この女性だけでなく、すべての社員が「自分がすべき業務」と「人に任せる業務」「不要な業務」に振り分け、社員は自分がすべき業務に集中するというスタイルなので、17時という夢のような退社時間が実現できるのです。
もちろん、17時退社は子育てをする女性だけにあるのではありません。
男性や独身の女性にとっても、キャリアアップの点で非常に優れたシステムです。
平日の夕方以降の時間帯を、自分自身のスキルアップのために使える
17時に退社できることによって、今まで社会から「残業するのが当たり前」と思われてきた男性も、その呪縛から解放されることになります。
平日の夕方以降の時間帯を自分のために使うことができるので、英会話スクールやスポーツジムに行くこともできるでしょう。
また独身の女性も、たとえばサプリメントの資格取得に向けた勉強をするなど、スキルアップのために平日の夕刻を使うことができます。
自分自身のために時間を使うことが、会社の成長にもつながるという、まさにWin-Winの関係と言えます。
18時に定時退社をする会社は数多くありますが、18時以降にスクールやジムに通うと、帰宅は20時以降になってしまいます。
無理なく学んで、帰宅してから夕食を食べるためには、17時退社がやはり理想的です。
残業なしの仕事に転職する方法やメリットまとめ
今回は残業なしの仕事に転職する方法や、残業なしの仕事のメリットなどを紹介しました。
残業のあるなしは、人生を左右する重大な問題と言っても過言ではありません。
家族や趣味の時間を確保することはもちろん、健康維持やキャリアアップのためにも、できる限り定時で帰れる会社に転職するべきです。
実際、ファミレスの「ロイヤルホスト」では24時間営業を辞めて営業時間を短縮し、食材・サービスなどにこだわった結果、スタッフの定着率がアップしました。
おまけに営業時間が減ったにも関わらず、収益は7%もアップしたことからも、残業するなら残業のない会社を積極的に狙っていきましょう。