転職の企業研究のやり方を解説!かける時間やしないデメリットも紹介
転職するにあたって、実際に応募する前にしっかりと企業研究をすることは、非常に重要です。
「前からあの会社に行きたかった」というように、特定の企業に強い思い入れがある場合でも、念には念を入れてチェックしておいた方が良いでしょう。
では、なぜ企業研究をすることがそれほどまでに重要なのか、どのように企業研究を行ったら良いのかを、詳しくお話ししましょう。
転職における企業研究とは?何のために必要?
企業研究とは、その名の通り転職したい企業の平均年収、競合他社との違い、経営方針、理念といった情報を調査することです。
新卒での就職では誰もが行っていると思うのですが、実際は転職においても企業研究が必須といえます。
企業研究を行わずに転職をしてしまうと、後悔による早期退職のリスクが非常に高くなります。
3C分析が主流
3C分析とは、「Company:自社」「Customer:顧客・市場」「Competitor:競合」の3要素を深掘りすることで、企業研究で活用する人が多い手法です。
項目 | 調査内容 |
自社(Company) | ・設立年数 ・従業員数 ・企業理念 ・事業内容 ・売上高 ・利益など |
顧客・市場(Customer) | ・ターゲット層 ・顧客の層 ・市場規模 ・顧客に選ばれている理由 |
競合(Competitor) | ・競合他社の情報 ・競合と自社の違い ・市場における会社の強み |
3C分析ができていると業界における転職先の強みや将来性が見えてくるので、転職をしたものの数年で倒産して会社都合退職をする羽目になった…という事態を回避しやすいです。
また、後述する面接の場面でも「この人は会社のことをよく調べているな」と好印象になり、有利に働きやすいです。
企業研究が必要な理由
転職で企業研究が必須な理由としては、下記のようなものがあります。
- 熱意や志望度が伝わりやすく好印象になる
- 理解度が高まることで転職後のミスマッチを防げる
企業研究を行うことで面接時に企業が求めている答えを用意しやすく、熱意や志望度の高さも伝わるので採用担当者に好印象を与えることができます。
また、企業研究をする家庭で仕事内容や社風などの情報も集まるので、入社してもギャップが少なく、ミスマッチによる後悔や早期退職リスクが下がるのもメリットでしょう。
気になる会社があれば、その都度細かく企業研究をして確実に転職活動を進めましょう。
転職における企業研究のやり方を紹介!
まずは企業のホームページを隅々までチェックする
企業のホームページはいわば企業の“顔”ともいえる重要な存在で、会社概要、従業員数、事業内容、経常利益、経営方針といった基本となる情報がほぼ載っているので真っ先にチェックしましょう。
客観的な情報や会社にとってマイナスになる情報はまったく載っていないのがネックですが、その企業がどんな理念を持って経営をしていて、未来に対しどのようなビジョンを持っているのか分かります。
転職の失敗を回避する上で大切な社員の平均年齢や年収、平均勤続年数といった情報も載っている場合があります。
経営方針や理念をベースに志望動機を作成することで、面接において好印象を得やすいです。
企業の顧客情報を見てみる
企業のホームページをチェックしたら、次に転職したい企業の顧客となっている法人や個人について調査しましょう。
顧客を分析すると企業が求められていることが読み取れるので、それを活用した志望動機や自己PRをすれば面接でも好印象になるでしょう。
また、業界全体の動向や、その企業が業界内でどのような立ち位置なのかも見えてくるので、自分が入社したら求められている仕事ができることもアピールすると効果的です。
新卒採用のページをチェックする
また、中途採用の転職であっても一度新卒採用のページをチェックしておくのもおすすめです。
新卒採用のページには企業がどのような人材を求めているのか、学生にも分かりやすいようにまとめられています。
参考にして志望動機や自己PRを作成することで、内定を獲得できる確率も上がるでしょう。
転職サイトや求人に掲載されている情報をチェックする
転職サイトや求人欄に掲載されている情報も、転職者が企業研究をする上で重要です。
求められている人物像やスキルが全て載っているのはもちろん、独自のインタビューや人事担当、業務担当者の生の声が掲載されているからです。
ただ全てのサイトにインタビューや独自情報が載っているわけではないので、「○○株式会社 求人」と検索していくつかの転職サイトのページをチェックしておきましょう。
現場の先輩がどのような努力をしているのかが手に取るようにわかりますし、会社の強みや福利厚生、研修制度の有無なども詳しく載っています。
転職情報サイトは転職に必要な情報の宝庫なので、一字一句見逃さずに読むことをお勧めします。
会社四季報などの客観的な情報
「会社四季報」には企業が業界内でどのくらいのシェアを占めているかなど、客観的な情報が色々と載っています。
また、有給取得率や3年後離職率、採用実績といった企業があまり教えたくないような情報も載っているのが特徴です。
企業研究の一環として四季報をチェックしておくことで、入社してみたら大半の人材が半年で離職するブラック企業だった、有給が全く取れない会社だったといった後悔を防げるでしょう。
また、「ホームページや求人サイトだと目立たない会社だったのに、会社四季報を見たら知る人ぞ知る優良メーカーだった」というようなケースもあります。
会社の規模によっては四季報に掲載されていない可能性もありますが、ある程度大きい会社への転職を考えている人はチェックするべきです。
業界の動きが分かる新聞や業界紙を読む
転職の企業研究をする際は新聞や業界紙を読んでおくのも大切です。
日経・朝日・毎日・読売など大手の新聞をすべてチェックできればベストですが、お金も時間も無駄にかかるので、とりあえず日経電子版辺りをチェックするのがおすすめです。
その他にも転職予定の業界の業界紙を確認して、転職ノートにスクラップしたり、スキャンしてデータとして残しておきましょう。
リアルタイムで業界の動きが分かりますし、紙面から得られる情報は企業研究だけでなく面接の際にも大いに役立ちます。
面接官から突然時事問題を質問されても、普段から新聞に目を通しておけば自信を持って答えられるので好印象を得られるでしょう。
転職エージェント主催の「転職フェア」に参加する
企業研究として、転職エージェントが定期的に主催している「転職フェア」に参加するのもおすすめです。
転職フェアでは大量の企業がブースを出しているので、何社もの企業研究が一度にできて効率が良いですし、企業の人事や採用の担当者と直接会話できるので有益な情報を得ることができます。
運が良ければその場で書類選考不要で面接の約束が取り付けられたり、そうでなくともさまざまな企業の採用担当者と話をすることで視野がかなり広がります。
開催地が大都市に限定されているのがネックですが、転職期間中に一度は足を運んでみても良いでしょう。
企業の口コミサイトをチェックする
転職会議やOpenWorkといった、企業の口コミサイトをチェックするのも企業研究として有効です。
なぜなら実際にその会社で働いていた社員の生の声が聞けるからです。
会社の人間関係から社風、仕事の達成感、求人のモデルケースと異なる実際の年収、福利厚生や育休産休制度が本当に取得できるかなどが載っています。
ホームページや転職サイトの情報はPRも兼ねているので良いことばかりが書いていますが、口コミサイトには他所では書けないブラックな情報や不満といった、転職で本当に有益な情報が得られます。
そのため、企業研究の一環として口コミサイトを利用しない手はないでしょう。
5chのような掲示板も見方によってアリ
5chのような掲示板サイトも、嘘を嘘と見抜く能力があれば活用するのはアリです。
掲示板には会社について語り合うスレッドがあるのですが、匿名だからこそ言える悪口や不満が赤裸々に書かれています。
そのため、企業研究をする際にも有効なのですが、情報の中には冷やかしや誹謗中傷も多く、すべての情報を真に受けるわけにはいきません。
しかし、情報の取捨選択ができる人であれば他に載っていないような情報を得ることができるでしょう。
実は応募したい企業が隠れブラック企業だったりする場合は、掲示板で複数の人が実情をぶち撒けていたりします。
転職の企業研究をしないのはアリ?
結論から言うと、転職で企業を研究をしないのはナシです。
企業研究は非常に手間がかかりますし、面倒に感じる方が多いのも事実です。
しかし、企業研究をしないせいでブラック企業に入社してしまえば元も子もありません。
手間を掛けて企業研究をすることでミスマッチを防ぎつつ納得して働くことができるので、面倒くさくても企業研究はするべきです。
転職の企業研究にかけるべき時間は?
志望度が高い企業であれば1日~2日がベスト
結論から言うと、志望度が高い企業であれば1社につき1日かけて企業研究をするのがベストです。
第一志望の企業であれば、企業研究に2日かけても損はしません。
時間をかけすぎと思うかもしれませんが、企業研究は誰もがやっているので、30分~1時間程度の企業研究をしても他の応募者と志望動機や自己PRに差をつけることができません。
企業研究でライバルに勝つには、ライバル以上に企業研究をすることで魅力的な志望動機や自己PRに繋げて、一歩出し抜く必要があります。
志望度が低い企業であれば1時間程度の企業研究でOK
一方で志望度がそれほど高くない企業であれば、30分~1時間程度の企業研究をしておけばOKです。
志望度が低い企業まで1日も企業研究をしてしまうと、膨大な時間がかかってしまい重要な書類や面接の対策をする時間が割けなくなるからです。
本気で入社したい企業は徹底的に企業研究をして、それ以外は最低限に留めるのが良いでしょう。
転職の企業研究を活かした志望動機の例文
ITエンジニアの場合
私は大学でコンピュータサイエンスを専攻し、様々なプログラミング言語や開発ツールを学びました。
特に人工知能や機械学習に関する研究に興味を持ち、自然言語処理や画像認識などの分野で実践的なプロジェクトに取り組んできました。
貴社は人工知能技術を活用した革新的なサービスやソリューションを提供しており、その分野でのリーディングカンパニーだと考えています。
そのため、貴社のビジョンや技術力に共感し、自分の研究経験やスキルを貴社の事業に貢献したいと思っています。
貴社であれば最先端の技術に触れることができるとともに、チームワークやコミュニケーション能力も向上させることができると考えています。
営業職の場合
私は大学で経営学を専攻し、マーケティングや戦略などの基礎的な知識を身につけました。
また、インターンシップやサークル活動などで人と接する機会が多くありました。
その中でお客様のニーズや課題を把握し、適切な提案や交渉ができることが営業職に必要だと感じました。
貴社はお客様の満足度向上に努めており、「顧客本位」、「信頼」、「品質」などの価値観は私自身も大切だと思っています。
また、貴社が先日発売した商品やサービスに魅力を感じており、それらを広く多くのお客様に届けたいと思っています。
貴社では優秀な先輩方から多くのことを学べるだけでなく、自ら主体的に行動することも求められると聞きました。
私はコミュニケーション能力や柔軟性だけでなく、自己管理能力や目標達成意欲を常に持つよう意識していますので、ぜひ貴社の営業職員として成長したいです。
製造業の場合
私は大学で工学部電気電子工学科に所属し、電気回路や半導体素子などの基礎から応用まで幅広く学びました。
前職ではセンサーやアクチュエーターなどの電子機器の設計や評価を行い、その中で貴社が製造している光学素子やディスプレイ技術に強い関心を持ちました。
貴社は電子機器の製造において国内外で高いシェアを持っており、常に改善や革新に取り組んでいると聞きました。
私は論理的思考能力や分析能力だけでなく、創意工夫やチャレンジ精神も持っていますが、それだけでは不十分だと思っています。
貴社では先輩方から多くのことを学ぶことができるだけでなく、自ら積極的に提案や改善ができるよう努めたいです。
転職の企業研究のやり方や時間まとめ
今回は転職における企業研究のやり方や、必要な理由などを紹介しました。
転職する際は企業研究をすることで可能な限り情報を集めて、面接で有利に立ち回ったり、入社後の後悔リスクを少なくすることが大切です。
ただ企業研究だけで内定が獲得できるわけではないので、面接や書類に関する対策もしっかりと行いましょう。