転職エージェントのメリットやデメリット16選!なぜ無料かも解説
転職方法はハローワークやタウンワークなど色々とありますが、特にお勧めしたいのが「転職エージェント」です。
転職エージェントは「実は有料なのでは」「無理やり転職先を紹介されそう」といった不安から敬遠している人も多いでしょう。
今回はそんな転職エージェントの疑問にお答えしつつ、利用するメリットや無料の理由などを紹介していきます。
転職エージェントを利用するメリット
では、まずはなぜハローワークではなく転職エージェントを利用した方がいいのかをお話ししましょう。
「非公開求人を紹介してもらえる」ことは知っているかもしれませんが、「企業に質問しづらいことを聞いてもらえる」「応募書類を使い回せる」は知らなかったという人も多いかもしれません。
専属のキャリアコンサルタントが付く
転職エージェントを利用すると、転職希望者が聞きたいことを何でも相談できるキャリアコンサルタントが付くのがメリットでしょう。
キャリアコンサルタントとは、求職者のキャリアプランをサポートする専門家のことで、2016年からは正式に国家資格となっています。
「キャリアコンサルタントが最悪だった」というような外れクジを引くことも、この資格が設けられたことで今後は激減してくるでしょう。
キャリアコンサルタントは転職のプロフェッショナルなので、転職活動のポイントを教えてもらったり、後述する給与交渉の代行、企業の裏事情を教えてもらえるなどメリットが満載です。
限定の非公開求人を紹介してもらえる
転職エージェントうに登録すると、限定の非公開求人を紹介してもらえるのもメリットでしょう。
一般的に求人はインターネット上のサイトやハローワークの紹介、新聞の折り込み広告で見つける人が多いですが、転職エージェントにはそういった一般媒体には載っていない好条件の非公開求人が多数あります。
エージェントによっては8割の求人が非公開というケースもあり、大手企業や人気企業、優良企業が溢れているのでおすすめです。
企業が求める人材にだけ非公開求人を紹介する
なぜ非公開の求人が好条件なのかというと、人気企業は求人を公表すると希望する能力に達していない人材の応募が殺到して、採用担当がパンクするからです。
そのため、エージェントは企業が求めるレベルを満たした人材にだけ、非公開求人として美味しい求人を紹介します。
また、企業内の重要ポストで欠員が出ることを取引先などに知られてしまうと企業活動に支障をきたす危険性があるため、求人が非公開になるケースも多々あります。
総じて給与が高い、福利厚生が優れているといった条件の良い求人ほど、転職エージェントを通して秘密裏に紹介されるケースが多くなっています。
応募から面接・採用までのスケジュール管理を任せられる
転職エージェントを利用すると、転職に伴う様々なスケジュールをコンサルタントに任せられるのもメリットです。
自分で求人に応募をする場合は書類選考のための応募書類提出から面接・内定・採用といった一連のスケジュール管理を、すべて自力で行わなければなりません。
その点、転職エージェント経由の応募に関しては、採用までのスケジュールを担当のキャリアコンサルタントが管理してくれるので、求職者はかなり負担が軽くなります。
これは小さなことのようですが、実際に転職活動を始めてみると、実は大きなメリットだったりします。
例えば面接の予定時刻に外せない仕事が入ってしまった時に、自分で転職先にリスケを頼むのはかなり勇気が必要ですが、転職エージェントであればキャリアコンサルタントに1本連絡を入れれば調整してもらえます。
内定後の給与交渉や聞きづらい事を確認してもらえる
給与交渉や自分で聞きづらいことを確認してもらえるのも、転職エージェントを利用するメリットのひとつです。
たとえば転職サイトで直接応募をした場合、面接で「残業がどのぐらいあるのか」「昇格の条件が知りたい」と思っても、面と向かっては中々聞けないものです。
その点、転職エージェントであればコンサルタントに「応募したい企業の残業時間が知りたい」と言えば、調査済みであれば即座に目安の時間を教えてもらえますし、その場では不明でも企業に確認してもらえます。
特に応募前であれば誰がその情報を知りたがっているのか企業はわからないので、ある程度シビアな質問をしても採用に響くことはありません。
応募のたびに書類を用意しなくてもいい
転職エージェントを利用すると、応募の度に自分で職務経歴書や履歴書を作ったり、郵送しなくて良いのもメリットでしょう。
自分で直接応募をする場合は、採用試験を受けるたびに履歴書や職務経歴書を作成して、郵送などの作業を行わなければなりません。
会社に勤めながら転職活動を行う人にとって、非常に面倒でしょう。
しかし転職エージェントであれば応募書類は一度作成すれば大丈夫ですし、郵送もエージェントが行ってくれるので楽です。
入社時期を自由に調整してもらえる
転職エージェントを利用すると、退職日が変更になった場合に入社時期を調整してもらえるのもメリットです。
例えば内定を得た会社に「10月1日から入社できます」と伝えた後に、後任がなかなか見つからなかったり、引き継ぎに予想以上に時間がかかって「退職日をずらしてほしい」と言われることは珍しくありません。
そんな時に自分で伝えるとマイナス印象を与えてしまったり、場合によっては「入社日が守れないなら採用は取り消しで」と言われてしまうこともあります。
しかしキャリアコンサルタントが間に入っているとうまく調整してくれるので、万が一の時の転職先とのトラブルを回避できます。
企業の内部情報を教えてもらえる
また、転職エージェントを利用すると企業の内部情報を教えてもらえるのもメリットです。
口コミにはない離職率や上司の人柄、残業の実態といった働く上で本当に必要な情報を教えてもらうことができます。
例えば残業時間はエージェントが実際に19時に電話をかけたり、オフィスに訪問した際に誰もいなかったという体験を元にしているので、信憑性も抜群です。
ブラック企業を回避したい、転職で失敗したくないという方には大きなメリットがあるでしょう。
推薦状で企業へアピールしてくれる
転職エージェントを利用すると、転職先に推薦状とともにアピールをしてもらえるのもメリットです。
あなたの持つ強みやスキルなどを第三者の目線から紹介してくれるので、企業から好印象を得やすいです。
同じ能力の応募者が複数いた場合などに、推薦状の有無は面接や採用に大きな影響があるでしょう。
無料で利用できる
転職エージェントのある意味で最大のメリットは、これだけのサービスを全て無料で利用できることでしょう。
どのサービスもエージェント側はかなりの労力がかかっているので、本来であれば高額な人件費やサービス料を請求されてもおかしくありません。
しかし大半の転職エージェントは全てのサービスを完全無料で利用することが可能となっているので、転職する人は利用しないと損と言っても過言ではないでしょう。
転職エージェントはなぜ無料で利用できる?
転職時に企業から紹介料を貰っているから
転職エージェントの充実したサービスを見ると「なぜ無料で利用できるのか?」と心配する人も多いです。
結論を言うと、転職エージェントは社員を採用する企業側から「紹介料」としてお金を受け取っているので、求職者は無料で利用することができます。
心置きになくカウンセリング、応募、スケジュール管理、応募書類のチェック、模擬面接、内定後のフォローを無料で受けましょう。
ハイクラス向けのエージェントのみ有料な場合がある
ただし、一部のハイクラス向けの転職エージェントでは、有料となっていることがあります。
有名なのは「ビズリーチ」のプレミアムサービスで、専用コンテンツの閲覧やスカウトへの返信などが可能になります。
ただ、大半の転職エージェントの利用は無料なので安心して下さい。
転職エージェントを利用するデメリット
希望を満たさない求人を紹介されることがある
メリットが多い転職エージェントですが、稀に希望条件を満たしていない求人を紹介されるのはデメリットでしょう。
自分で転職先を探す場合、自分で条件を確認して納得のいった求人にだけ応募できますが、転職エージェントは求職者の希望だけでなく企業から「こういった人材を紹介してほしい」という要望も聞いています。
そのため、希望する条件を完全に満たしていない場合でも、求人を紹介されることがあるのです。
それを不満に感じる求職者も少なくなく、「紹介してもらった求人に魅力的な会社が一つもない!」という事態になる場合もあります。
この場合は登録しているエージェントに希望を満たす求人はないので、異なる転職エージェントに登録すると良いでしょう。
希望条件を拒否されることがある
一概にデメリットとはいえないのですが、あまりにも希望条件とスキルが噛み合っていない場合は拒否されてしまうことがあります。
転職エージェントのキャリアコンサルタントは年間で何百人もの求職者を企業に送っているので、「この人ならA社に採用されるだろう」「この人はB社レベルは無理だな」といった事がおおよそ分かっています。
例えば、スキルも職歴も乏しい人が「一部上場企業で年収600万円以上の求人を紹介して下さい」と言った場合、絶対に面接を通過できないので拒否されるでしょう。
エージェントによっては適正レベルまで希望条件を下げるよう提案してくれるので、自分の能力に合ったレベルの企業に応募しましょう。
コンサルタントと相性が悪いこともある
転職エージェントのコンサルタントも人間なので、中には相性が悪いこともあります。
職場の人間と同じで、性格や思考が絶望的に噛み合わないコンサルタントもどうしてもいます。
そのコンサルタントの下で転職活動をしても絶対に上手くいかないので、相性が悪いと思ったら担当者を変えてもらうようにお願いしたり、別のエージェントを利用するのがおすすめです。
また、コンサルタントのエゴで希望と異なる求人ばかり紹介してくる、態度が高圧的といった場合も、別なエージェントに登録しましょう。
連絡がしつこいことがある
転職エージェントは熱心なサポートをしてくれるのですが、時にそれが「連絡がしつこい」「うざい」と感じてしまうのもデメリットでしょう。
良い求人ほどすぐに応募するため、転職はスピード勝負という側面があるので、エージェントは転職成功のためにメールや電話を頻繁に送ってきます。
場合によっては日に何本も電話がかかってくるので、のんびり転職したい人にとってはしつこいと感じてしまうのも当然でしょう。
その場合は担当者の変更をお願いしたり、連絡頻度を減らす、メールだけにしてほしいと伝えるのがおすすめです。
転職時期が曖昧だと後回しにされる
転職時期が曖昧だったり、なんとなくエージェントに登録したという温度感の人は紹介を後回しにされてしまいます。
例えば良い求人があった時に、今すぐ転職したいという人と、3ヶ月後くらいまでに転職できればいいという人がいた場合、コンサルタントは間違いなく前者に求人を紹介するでしょう。
求人を紹介してもらいたい場合は、嘘でも「1ヶ月以内に転職したい」「良い求人があればすぐに退職したい」と伝えた方が良いでしょう。
エージェントによってはサポート期間が3ヶ月と定められていることもあるので、明確に転職したい時期が固まっていない人はエージェントでなく転職サイトに登録した方が良いかもしれません。
紹介料のせいで不利になる場合もある
転職エージェントは求職者が無料で利用できる代わりに、採用が決まった際に企業が紹介料を支払うため、採用で不利になる場合があります。
具体的には自社のホームページから応募した人と、エージェント経由で応募した人がいて、どちらも能力が同程度だった場合、余計なコストがかからないホームページ経由の応募者が採用されることがあります。
紹介料の相場は想定年収の30%前後であることが多く、例えば登録者が年収1,000万円で転職が成功した場合、企業は300万円の紹介料をエージェントに支払います。
大企業はともかく中小企業の年収の30%という報酬は負担になるので、時にはエージェント経由で応募した方が不利になるのです。
地方は求人が少ないエージェントが多い
転職エージェントは首都圏や大都市の求人に特化していることが多いため、地方だと紹介される求人が少ない場合があるのもデメリットでしょう。
大手の転職エージェントは地方であっても比較的多くの求人を抱えているのですが、中小規模のエージェントは首都圏の求人しか抱えていない事も珍しくありません。
地方在住の方が転職エージェントを活用する場合、求人の多い大手や地方に支社があるエージェントを選ぶべきでしょう。
転職エージェントは種類によってもメリットが異なる
転職エージェントのメリットとデメリットを紹介してきましたが、エージェントの種類によってもそれぞれメリットや強みが異なります。
転職エージェントは大きく分けて以下の3種類があるので、それぞれのメリットを紹介していきます。
大手の総合型転職エージェント
とりあえず登録しておけば間違いないのが、大手の転職エージェントでしょう。
あらゆる業種、地域の求人を網羅しているので、とりあえず希望する求人を紹介してもらえるのがメリットです。
有名なのはテレビCMも打っているリクルートエージェントやdodaでしょう。
業界・職種特化型の転職エージェント
既に転職したい業種が明確な場合におすすめなのが、業種・職種に特化した転職エージェントです。
特化している分、希望する業種の求人数に関しては右に出るエージェントがありません。
また、コンサルタントも特定の業界に知見が深いので、総合型エージェントよりも優れたサポートを受けられるメリットがあります。
有名なのはIT業界であればマイナビエージェントITや、リクルートエージェントITなどでしょう。
年代・属性特化型の転職エージェント
20代、フリーターなど特定の年代・属性に特化した転職エージェントもあります。
利用できるユーザーが限られる代わりに、条件に該当している方は他のエージェントにはない手厚いサポートを受けられるのがメリットです。
30代特化型、「ビズリーチ」のようなハイクラス特化型の転職エージェントもここに該当します。
転職エージェントを利用するべき人とは?
初めて転職をする人
初めて転職をするという人は、間違いなく転職エージェントを利用するべきです。
転職に不慣れだと何をやればいいのか、どうすれば転職が成功するのかといったノウハウがありません。
そのため、中々思うように転職をすることができないのですが、転職エージェントであれば面倒な部分は丸投げしたり、分からない部分は全て聞きながら転職活動を進めていくことができます。
最初の転職はエージェントのサポートの下で行い、ノウハウを得たら次は転職サイトを活用するといった形で良いでしょう。
早めに転職をしたい人
現在転職活動をしていて、とにかく早く転職したい人にもエージェントはおすすめです。
例えば1週間後までに内定が欲しい、来月までに転職先を決めたいといった方は、エージェントでは大歓迎です。
転職意欲が低い人は転職エージェントでは後回しにされがちですが、逆に明確に転職したい人であれば手厚いサポートが期待できるでしょう。
働きながら転職活動をしていて時間がない人
現在働いていて、転職活動をする暇がない人にも転職エージェントはおすすめです。
転職するには様々なことをやる必要があるので、在職中に転職活動をするのは非常に大変です。
しかし転職エージェントであれば面倒な作業が全てサポートしてもらえるので、忙しい人にこそ利用するべきといえます。
キャリアの相談に乗って欲しい人
転職をしたいけど、具体的なキャリアのビジョンが見えてない人にも転職エージェントはおすすめです。
キャリアコンサルタントは転職のプロなので、あなたのスキルや経験を元に、どういったキャリアを積んでいくべきなのか、どのような将来設計をしていくべきなのかといったアドバイスも貰えます。
あなたが本当は転職するべき業界なども教えてくれるでしょう。
未経験分野へ転職したい人
自力での転職が難しい、未経験業種への転職を検討している人も転職エージェントがおすすめです。
未経験業種で内定を得るには、企業に未経験者のあなたを採用するだけのメリットを示す必要があります。
独力でそれをアピールするのは困難ですが、コンサルタントは転職のプロなので推薦状も交えて企業にあなたの魅力を上手く紹介してくれるでしょう。
そもそも今の年齢・スキルで未経験転職ができるのか、といった事も教えてもらえるでしょう。
内定率・書類通過率を上げたい人
内定率や書類選考の通過率を上げたい人にも、転職エージェントはおすすめです。
前述したように転職エージェントを活用すると推薦状を書いてもらえるので、自分で応募するより書類選考を通過できる確率は間違いなくアップします。
また、採用担当に評価されやすい履歴書の書き方や、面接で好印象を与えられる受け答えなども教えてもらえるので、内定率にも良い影響が出るでしょう。
転職エージェントと転職サイトの違い
- 求人を自分で探すか、エージェントに探してもらうか
- 自分で転職をするか、エージェントにアドバイスが受けられるか
- 交渉を自分でやるか、エージェントに代行してもらうか
- 退職を自分でするか、エージェントにサポートしてもらうか
転職エージェントと転職サイトの違いは、大きく分けて上記の4つでしょう。
転職サイトは求人を載せているだけなので、応募や条件交渉、退職といった作業は全て自分でやらなくてはいけません。
一方で転職エージェントはそういった転職活動に関する様々な作業をサポート、代行してくれるので、求職者からすれば非常に楽でしょう。
転職エージェントに登録すると無理やり転職させられるのは本当?
ごく一部で利用者を無理やり転職させるエージェントが存在するのは事実
求職者に無理やり転職をさせるようなキャリアコンサルタントがいるのは、残念ながら事実です。
もちろん大半のコンサルタントは求職者のために動いているのですが、ごく稀に企業の都合を優先したり、自分の利益のために転職させるコンサルタントがいます。
無理やり誰も行きたがらないような企業を紹介するようなコンサルタントもいるので、もし自分の担当がそうだと感じたら、苦情を入れた上で即座に担当者を変えてもらうべきです。
まともな大手エージェントなら無理やり転職させられず安心
ただ、上記のような悪質なエージェントは主に中小規模のエージェントに多いです。
大手の転職エージェントは教育がしっかりしているので、無理やり転職先を紹介させられるような心配はほとんどないでしょう。
稀に大手であっても運悪く外れクジを引いてしまう人もいますので、そいった意味でも転職エージェントは1社だけに絞らず、2~3社は登録しておいた方が賢明です。
転職エージェントに登録すると何度も面談がある?
求職者の中には、「転職エージェントは会社に何度も出向かないといけないから、面倒くさい」と敬遠している人もいます。
しかし、転職エージェントに出向かなければならないのは基本的に登録時の1回のみで、それ以外のやりとりは電話やメールになるケースがほとんどです。
また、最近は新型コロナウイルスの影響もあって、そもそも面談が一切なく最初からオンラインでやり取りが進んでいくエージェントも増えています。
登録時以外で転職エージェントに出向くことがあるのは模擬面接などですが、本人が希望しなければ強要されることはありません。
ただ転職に不慣れな人はコンサルタントのカウンセリングを受けるメリットが多いので、せっかく無料なので積極的に受けてみることをおすすめします。
転職エージェントのメリットやデメリットまとめ
今回は転職エージェントを利用するメリットやデメリットなどを紹介しました。
転職エージェントは無料で様々なサービスを利用でき、転職活動の手間も省けるので利用する価値は大いにあるでしょう。
相性や求人の問題も複数社に登録すれば解決できるので、最も信頼できそうなエージェントで転職活動を進めると良いでしょう。