職務経歴書の書き方や注意点16選!基本サンプル例文も紹介
実は履歴書よりも職務経歴書の内容が採用の合否に直結するケースも多いほど、職務経歴書の書き方は重要です。
そこで当記事では職務経歴書の基本的な書き方や注意点と共に、見本となるサンプル例文も紹介します。
転職の経験が少ない人は職務経歴書の書き方に悩んでしまうと思うので、参考にして下さい。
職務経歴書とは?
職務経歴書とは、これまでのあなたの仕事に経歴や能力、応募先で何が出来るかをアピールするための書類です。
職務経歴書の内容を元に、採用担当者は応募者の人柄や能力、そして面接を行うか否かを判断します。
特に中途採用ではスキルや実績を見て、応募者が即戦力になるかどうかを判断するので、職務経歴書は時に履歴書よりも重要になる場合があるでしょう。
職務経歴書の書き方のサンプル例
まずはサンプルとして、基本的な職務経歴書の書き方例を紹介します。
職務経歴書の書式や内容もまったく自由ですが、上記は最も一般的なフォーマットなので、大半の担当者から見やすく、好印象を与えられるでしょう。
上のサンプル例では経歴が1社のみなので長めに書いていますが、何社か経験している人は1社辺りの職務経歴をもう少し簡潔にしましょう。
1社目の下に、そのまま同様のフォーマットで2社目の職務経歴について記載していって大丈夫です。
職務経歴書の基本的な書き方
では、次に上記サンプルをベースに職務経歴書の書き方について個別に掘り下げていきます。
職務経歴書のフォーマットは自由ですが、下記に関する記述があると転職先から好印象でしょう。
職務経歴書に最低限書くべきこと
- 名前、日付
- 職務要約
- 勤務先の概要
- 勤務期間
- 職務内容
- 実績
- 自己PR
また、任意で退職理由や語学力、年収といった要素についても記述した方が有利と判断すれば記述して構いません。
最初に「職務要約」を書いて自分の全体像を伝える
職務経歴書に名前や応募日付を記載したら、まず最初に「職務要約」を記載して自分がどんな経歴の持ち主で、応募企業でどのように活かせるかを簡潔に伝えます。
後で詳しく書く部分もあるので、職務要約は200~250文字程度でまとめると良いでしょう。
次に前職の会社概要・勤務期間を記載する
次に前職の会社名と資本金・従業員数・事業内容などを記載して下さい。
それにより応募者がどんな会社で働いていたのかを、採用担当者や面接官がイメージすることができます。
また、勤務した期間(実務経験年数)を書いて、自分が何年くらいの経験があるのかもここでアピールしておきます。
「職務内容」を記載する
次に職務内容として、自分がどんな仕事をやってきたのかを伝えましょう。
職務要約と被らないように注意しつつ、これまでの経験を簡潔に伝えるのがポイントです。
「実績」で自分のキャリアをアピール
実績では、業種によって書き方はさまざまですが自分が仕事で成し遂げた実績を記載しましょう。
営業マンであれば「何年何月に会社から表彰された」、Webディレクターであれば「PVを130%に増加させた」など明確な実績を記載しておくと効果的です。
前職でアピールできる経験があると採用でも有利になるので、しっかりと記載するのが重要です。
「仕事のスタイル」で仕事のやり方を説明
仕事のスタイルでは、自分が職場でどのような働き方をしていたのか、こんな部分に気を付けて仕事をしていたといったポイントを伝えましょう。
採用担当者や面接官は、応募者がどんな仕事をしていたのか、当社に入社したらこんな風に仕事をしてくれる、というイメージができます。
自己PR(経験から学んだこと)を記載
最後に自己PR(経験から学んだこと)を記載しましょう。
自己PRはその後の面接や最終的な合否を決める上でもかなり重要なポイントとなりますので、特に注力して記載するべきでしょう。
これまでの経験を振り返って、「入社直後は○○でしたが、3年目に▲▲を経験してから○○の施策により売上を前年比150%にしました」といった、自分自身のストーリーがあっても効果的です。
ただし、職務経歴書の枚数が多すぎると書類選考が落ちる原因にもなってしまうので、自己PRを長めに取りたい人は、その他の項目を簡潔にまとめておいた方が良いでしょう。
任意で退職理由や語学力などを記載
任意になりますが、職務経歴書に退職理由や語学力(TOEIC○点等)を記載しても良いです。
ただし、貿易系の仕事のように語学力があると採用で有利になるようなケースを除いて、無理に記載する必要はないでしょう。
退職理由に関しては履歴書に記載していると思うので、職務経歴書で書く必要はありませんが、どこかで必ず伝える必要があります。
職務経歴書の書き方に絶対のテンプレートはない!
人それぞれ様々な書き方がある
上記で基本的な職務経歴書の書き方を紹介しましたが、職務経歴書には絶対のテンプレートというものがありません。
人それぞれでさまざまな書き方がありますので、記事で紹介したことをベースにアレンジをするのもアリです。
たとえば「履歴書の志望動機の欄が小さくて書き切れない」という人は、職務経歴書で志望動機の欄を設けてもいいでしょう。
また、職務経歴書で自己PRをしっかり行いたい人は、業務内容を箇条書きにして圧縮し、その分自己PRを長めに確保しても一切問題ありません。
ネット上のテンプレートを活用するとキレイにはなりやすい
職務経歴書は自分に合ったフォーマットで作成するのがおすすめですが、ネット上にあるテンプレートや例文を活用すると、やはりキレイに仕上がるのは間違いありません。
自分でフォーマットを考えてもさほど面倒ではありませんが、転職エージェントなどがインターネット上で提供している無料の職務経歴書のテンプレートをベースにした方が簡単に作成できるでしょう。
仕事に合わせて職務経歴書を調整するのもあり
また、職務経歴書は業種に合わせて調整をするのも効果的です。
例えばデザイナーなどのクリエイティブな職種の場合は、「業務内容」よりも「実績」で自分のスキルや成果物を詳しく記載するのもおすすめです。
自分の仕事に合わせ、担当者から最も評価されそうな職務経歴書のパターンを考えて、作成すると良いでしょう。
場合によってはネットのテンプレートをベースに、自分の仕事に合わせて改良をすると良い職務経歴書が作れるでしょう。
職務経歴書を書く際の注意点
用紙はA4用紙1~3枚程度に収める
職務経歴書の用紙は、A4サイズを使い、枚数は1~2枚、多くても3枚に収めるようにしましょう。
転職回数が多い人はどうしても職務経歴書の枚数が増えてしまいますが、多すぎると採用担当者や面接官が読むのが苦痛になりますし、最悪の場合は読まれることなく書類選考すら通りませんので注意しましょう。
ダラダラと長い職務経歴書はそれだけで仕事ができない人と思わるリスクがありますし、逆に1枚の半分も埋まってないような文字数や内容が少なすぎる職務経歴書では応募者の個性が伝わりません。
職務経歴書を読むことになる担当者の気持ちになって作成することが大切です。
職務経歴書は手書きよりパソコンが無難
履歴書は手書きで書いた方が歓迎されるケースが多いのですが、職務経歴書は逆にパソコンで作成する方が無難です。
dodaが過去3年以内に中途採用での書類選考を担当した103人にアンケート調査を行った結果によれば、職務経歴書は手書きが望ましいと回答している採用担当者が26.3%なのに対し、パソコンが望ましいと回答している担当者は29.1%いました。
残りの46.6%は「どちらでもいい」となっているので、手書きよりもパソコンで職務経歴書を作成した方が無難ということが分かります。
手書きの職務経歴書の方が良いケースもある
ただ、昔からある大企業は手書きの方が歓迎されやすく、IT系やベンチャー企業はパソコンの方が歓迎されやすい傾向があるので、応募先によっては手書きで職務経歴書を作るのも一つの手です。
IT系の場合は手書きで職務経歴書を作るとパソコンスキルがない人材と思われ、むしろ評価が下がってしまう場合があり、逆にパソコンで見事なフォーマットで職務経歴書を作成すると「この応募者ならWordやパソコン作業を問題なくできそう」という評価が得られます。
履歴書と職務経歴書を見比べて抜けや誤字脱字がないか確認する
履歴書と職務経歴書が出来上がったら、応募する前に両方を見比べて抜けや誤字脱字がないかチェックしましょう。
履歴書で書き切れないことがあっても職務経歴書に書かれていれば問題ありませんが、見直すと書こうと思っていた実績やスキルが抜けているのはよくあります。
また、履歴書と職務経歴書の両方に同じ内容が書かれていると、採用担当者や面接官は「くどい」と感じてしまう可能性があるので注意しましょう。
職務経歴書の誤字脱字も、見つけられてしまうと担当者からの評価が下がる原因になってしまうので、念入りに見直して、もし誤字脱字があれば修正しましょう。
職務経歴書に使う字体・書体は何がおすすめ?
字体は明朝かゴシックが一般的
職務経歴書の字体に特に指定はありませんが、一般的にはMS明朝かMSゴシックあたりを使うのが無難におすすめです。
特に明朝体はビジネス文書にも多く使われるので、職務経歴書に利用したからといって悪印象を抱かれることはないでしょう。
太字や斜体は使わない方が無難
職務経歴書で強調したい箇所を太字や斜体にしたり、網掛にする人もいますが、これはやらない方が無難です。
効果的に活用すれば読みやすく、担当者に強みが伝わりやすい職務経歴書になり、好印象に繋がる場合もあるのですが、「職務経歴書に太字や装飾をするなんてあり得ない」と考える担当者も多いからです。
職務経歴書はあくまでもビジネス文書ですので、マイナス評価になる可能性がある太字や斜体を使うくらいなら、一切フォントを弄らずに作成した方が無難となります。
フォントの色は黒一択
本文の文字色ですが、必ず黒にしましょう。
分かりやすくするために色分けをしてカラフルにする応募者もいますが、職務経歴書としては論外で品格を疑われるので避けましょう。
本文の文字サイズは10.5~12ポイント
職務経歴書に書く字の大きさは、本文が10.5~12ポイント程度が一般的です。
タイトルや見出しは、それより大きめの13~18ポイントが良いでしょう。
行間もバランスよく空けて、採用担当者や面接官が読みやすいよう配慮することが必要です。
職務経歴書の文字量は1ページで40×40文字が理想的
職務経歴書の1ページに入れる文字数は、40×40文字が理想的です。文章は読みやすさを考えて適度に改行を入れましょう。
ひとつの段落を300文字以内に収めると、採用担当者や面接官も読みやすく、理解しやすくなります。
職務経歴書を書く際の句読点やデザインについて
句読点は一つの文につき1~2個入れる
職務経歴書に文章を書く場合は、ひとつの文章(センテンス)の中に、読点(、)が1~2個入れると読み易いのでおすすめです。
- 「私は食品メーカーの企画宣伝部で会社の広報担当として5年間勤務しました。食品メーカーの広報ではSNSの運用やCM作成にも携わり新商品を効果的にアピールすることで目標の130%の数字を達成して社内でも何度か表彰されました」
- 「私は食品メーカーの企画宣伝部で、会社の広報担当として5年間勤務しました。食品メーカーの広報では、SNSの運用やCM作成にも携わり、新商品を効果的にアピールしました。その結果、目標の130%の数字を達成し、社内でも何度か表彰されました」
上記2つの文章を比較すると、句読点を効果的に入れた2つ目の文章の方が間違いなく読みやすいでしょう。
区切りで読点を入れるだけでなく、文章が長くなる場合は句点を入れる等、文章の書き方に配慮すると採用に結び付きやすい好印象の職務経歴書となります。
文字は左揃えがおすすめ
職務経歴書の文字ですが、特に理由がなければ左揃えがおすすめです。
たまに応募者の中にセンター揃えで職務経歴書を作成する人がいますが、ドラマチックなイメージが出る効果はあるものの、職務経歴書の字の揃え方としては印象が良くありません。
職務経歴書の文字は、基本的に左揃えで統一しましょう。
年号表記は他の書類と統一する
職務経歴書に記載する年号は和暦でも西暦でもかまいませんが、表記は必ず統一するようにして下さい。
また、数字を使う際も「1999年」と「1999年」といった表記が混在すると印象が良くないので、統一しましょう。
もちろん履歴書や送付状など他の応募書類の年号や数字とも表記を揃える必要があります。
応募先の企業がファイリングすることも考えて余白を作る
職務経歴書は応募先の企業がファイリングをすることも考慮して、余白を設定しておくことも忘れないで下さい。
目安として上下左右の余白は上が25~30mm、下が20~25mm、左右が20~25mmの幅を確保しましょう。
そうすることで全体を見たときのバランスが良くなりますし、採用担当者が職務経歴書をファイリングするときも、文字に穴を空けずに済みます。
職務経歴書を書いたら最後に漏れがないかチェックしよう
苦労の末に職務経歴書が完成すると、そのまま一刻も早く応募したいところですが、その前にもう一度漏れや誤字脱字がないかをチェックしましょう。
転職活動で職務経歴書は「命」ともいえるほど、採否の決め手になる書類です。
そのため、提出前にもう一度、余裕があれば日を置いてさらにもう一度、下記の項目をクリアしているかチェックしても損はありません。
- 読む人が理解できない専門用語や社内用語を使っていないか?
- 守秘義務のある名称を職務経歴書に記載していないか?
- 「企業が応募者に何を求めているか」を考えながら書いたか?
- 面接で深く掘り下げて質問してほしい内容を、しっかり記載しているか?
- ただ経歴を並べるだけの、魅力の薄い内容になっていないか?
- 「これが自分のアピールポイント」といえるものを、はっきりと打ち出しているか?
職務経歴書の書き方や注意点まとめ
今回は職務経歴書の書き方や注意点などを紹介しました。
職務経歴書は時に履歴書以上に合否を左右するので、応募者が最も力を入れるべき書類と言っても過言ではありません
抜けや漏れ、誤字脱字がないことはもちろん、魅力的な職務経歴書にするかを考えながら、時間をかけてじっくり書き上げるようにしましょう。