第二新卒に最適な転職時期は?成功のコツや何年目の転職が有利か解説
最近、「第二新卒者歓迎」と書かれた求人募集がとても増えてきました。なぜいま、第二新卒者が企業に歓迎されているのでしょうか?
また、第二新卒者はいったいどのようにしたら、満足できる転職先を見つけられるのでしょうか?転職を希望する第二新卒者のための情報をご紹介します。
そもそも第二新卒とは?
新卒入社後3年未満の求職者のこと
第二新卒者とは、新卒入社後3年未満の求職者のことを指します。
年齢は25~26歳までが一般的ですが、その辺は企業によって解釈がまちまちで厳密には定められていません。
大卒だけでなく高卒も第二新卒に含まれる
大卒限定というイメージが強い第二新卒者ですが、実は高卒も第二新卒者に含まれます。
高校を卒業後、新卒で就職した企業から3年以内に退職している人は、第二新卒として求人に応募することができます。
「実際は大卒者を欲しがっているのではないか?」と疑う人もいますが、決してそんなことはありません。
学歴にこだわらない企業であれば、若さと社会人経験の両方を併せ持つ第二新卒者は、学歴を問わず歓迎すべき存在となっています。
企業の半数以上が第二新卒を求めている
実際、近年は企業の半数以上が第二新卒者を歓迎しているという、第二新卒者にとって有利な状況が続いています。
かつては新卒で入社して1~2年で辞める人間はどこも雇ってくれない、という時代もありましたが、今は第二新卒を歓迎したいという企業が大半です。
そのため、新卒で選ぶ会社を間違えた方は、思い切って第二新卒枠での転職を考えるのもおすすめです。
第二新卒に最適な転職時期はいつ?何年目?
年数としては新卒2年目、3年目が有利
第二新卒の転職に最適とされる年数は、一般的には新卒2年目、3年目とされています。
これは新卒1年目、あるいは新卒半年程度だと社会人としての経験が未熟であったり、入社してもまたすぐに辞めると思われ採用されづらい背景があるからです。
一方で新卒2年目、3年目というのはある程度の社会人経験や常識があり、採用後もすぐに辞める心配が比較的少なく、採用担当からも好印象となり有利です。
ただ、あまりにも新卒で入った企業の労働環境が悪かったり、相性が悪いと感じている場合は2年目まで我慢するよりも、1年目であっても転職した方がキャリアや精神衛生上良い場合もあります。
4月に第二新卒で入社するとメリットが多い
第二新卒者に最適な転職時期としては、新卒が入社する4月に合わせるのが最適です。
転職者や定年退職が多い時期でもあるので、まず応募が多いのが理由となります。
また、4月に入社することで、第二新卒であっても会社によっては新卒者と一緒に研修を受けさせてもらったり、新卒者と同じように扱ってもらえるケースがあるのも大きいです。
新卒者より年齢的に多少上になりますが、新卒者の中には1~2年留年している人もいるので、ほぼ同年代として新卒の仲間に溶け込める可能性は高いでしょう。
4月に転職するには前年の12月くらいから準備をしておく
4月に入社するためには最低でも3月までには退職手続きを完了させる必要があるので、可能であれば前年の12月くらいから転職の準備を進めておいた方が良いでしょう。
4月に入社すると同期がいる可能性が高い
4月に入社をすると、なんといっても同期がいるのがメリットでしょう。
転職は通常1人で孤独に入社するのですが、4月に第二新卒枠で転職することで新卒者と同期になれます。
研修を受けられるだけでなく、同期と一緒に飲みに行ったり、何か悩みがあれば相談に乗ってもらったりすることもできます。
長い会社人生を考えたとき、心を許して語り合える同期がいるといないとでは、大きな違いがあるといえるでしょう。
そういう意味で、第二新卒者の4月入社はベストのタイミングということができます。
次点で10月に入社するのがおすすめ
10月も第二新卒者の転職時期として良いタイミングと言えます。
企業がある程度の人数を計画的に採用する場合、上半期の4月入社のほかに下半期の10月にもまとめて社員を募集することが多いからです。
10月入社の場合は新卒者はほとんどいませんが、自分と同じ第二新卒者や転職者と同期になれますし、採用枠も多いので採用される確率も高くなります。
転職を経験をした者同士、入社後もお互いに助け合いながら良い仲間を作ることができるでしょう。
10月入社を目指すなら7月には準備をしておく
10月入社の社員を募集する場合、多くの企業は8~9月頃に募集をかけます。
引き継ぎを考えると7月には退職の準備を整えておく必要があるでしょう。
無職になるリスクを下げるなら7月に退職の準備をしつつ、8月~9月に内定が決まってから退職をするのがおすすめです。
第二新卒の転職に向いていない時期は?
5月や12月は第二新卒の転職時期として不適切
逆に第二新卒者が転職時期として向いていないのは、5~6月、11~12月あたりと言われています。
たとえば5月に転職活動をしようとしても、企業は4月入社の社員対応で忙しいので、新たに社員を雇おうとはあまり考えないからです。
11月~12月も同様で、年末は繁忙期であることが多いので第二新卒を採用しても教育する暇がなく、放置されてしまう可能性が高いでしょう。
すぐ辞めてしまった新卒の穴埋め需要がある場合も
ただし、4~5月は入社後すぐにやめてしまった新卒の穴埋めとして、第二新卒者を雇う企業もあります。
4月や10月に入社する社員のようにまとまった人数の採用ではありませんが、第二新卒者の募集があることは確かです。
また、業種によっては10~12月であっても企業の人事担当者が暇な場合があるので、採用のチャンスはゼロではないでしょう。
そういう意味では、第二新卒者の転職時期は、一年を通してあると言えるかもしれません。
退職する会社の繁忙期も転職に向いてない
退職する会社の繁忙期も、第二新卒の転職時期としては不適切でしょう。
第二新卒者は通常の転職と違って、4月と10月は明確に最適な転職時期であるため、この時期に転職をする方は多いでしょう。
しかし、社会人である以上、退職する会社の都合も考えて転職をする必要があります。
たとえば会社によっては4月が一番の繁忙期なので、2月頃に「転職したいので3月いっぱいで辞めさせてください」と言うとトラブルになる可能性が高いです。
退職してしまえば今の会社とは無関係になりますが、社会人としてできるだけ会社に迷惑をかけずに転職する方法を考えるべきです。
第二新卒者が時期以外にも転職で気をつけるべきこと
第二新卒だからこそアピールできる点を磨く
第二新卒者が転職を成功させるためには、時期に注意するだけでなく、“新卒ではなく第二新卒だからこそアピールできる点”に、磨きをかけておく必要があります。
第二新卒者が新卒者と最も大きく違う点は、社会人としての経験があるという点です。
1年でも2年でも勤めた経験があれば、社会人としての最低限のビジネスマナーはできているでしょうし、ある程度のコミュニケーションスキルもあり、社会の厳しさも知っているはずです。
第二新卒者を求める企業は、まさにそこに着目しているので、積極的にアピールをしていきましょう。
新卒のような甘さは見せない
面接などの際にビジネスマナーが悪かったり、社会人として甘い考えを持っていることがわかってしまったりすると、当然ながら選考ではねられてしまうことになります。
第二新卒の転職で特に気を付けたいのが、以下の点です。
- 清潔感のある社会人らしい身だしなみをしているか?
- 挨拶がきちんとできるか?
- 言葉遣いは社会人として適切か?
- 名刺の出し方など、最低限のビジネスマナーができているか?
- 社会人としての常識はあるか?
前向きな転職理由を用意しておく
第二新卒の転職にあたっては、時期だけでなく面接時に答える前向きな転職理由を考えることが大切です。
第二新卒の転職は、新卒で入社した会社に不満があって辞めるのは明白です。
「残業が多すぎる」「本社勤務から外された」「女性蔑視の企業だった」など、転職したい理由はさまざまあることと思います。
しかし、面接で転職理由を質問された際に「ものすごく残業が多い会社で、夜の10時を過ぎても誰も帰ろうとしません」「パワハラが横行していて、とてもやっていけないと思いました」などと本音を伝えてしまうと不採用になってしまう可能性があります。
もちろん転職理由として正当であることは確かなのですが、正直に言っても良いことはないので建前で取り繕いましょう。
建前の前向きな転職理由
本音:残業ばかりで最悪なので残業の少ない会社に転職したい!
建前:業務を効率化して無駄を省き、仕事の本質の部分に力を注いで成果を出したい
本音:アップダウンの社風で、自分の意見や提案が何も言えなかった。
建前:責任ある仕事を任せていただき、やりがいをもって仕事がしたい
転職したらこうしたいという未来の部分に視点を置き、企業にとってプラスになる人材であることをアピールすることが大切です。
すぐに辞めそうと思わせない
第二新卒者は、「若いのに社会人経験がある」といったメリットがある反面、1~2年でやめた実績があるのでうちに入社してもまたすぐ辞めそうと思われることがあります。
そのため、面接時にまたすぐ辞めそうというイメージを払拭できるかは、第二新卒の転職を成功させる上で重要なポイントです。
具体的には、採用試験を受ける会社を志望した動機や将来へのビジョンをハッキリさせつつ、「この人はわが社に入れたら貢献してくれるだろう」というストーリーをイメージできるようにすることが重要です。
例えば「転職ノート」を作成し、自分の転職に関する一連の流れと思いをまとめたり、業界研究や会社研究もしっかりと行い、説得力のある志望動機を確立しましょう。
第二新卒が大手・一流企業に転職することは可能?
第二新卒でも大企業への転職は可能
結論から言って、第二新卒者であっても入社できる大企業は数多くあります。
今より条件の悪い企業に転職することは避けたいと思いますが、上手くいけばよりよい企業に転職することも十分に可能なので安心して下さい。
新卒で入社した先が大企業だとより安心
特に現在、大企業・一流企業と呼ばれる会社に就職している方は、第二新卒でも大企業への転職が容易です。
新卒入社の3人に1人が3年以内に辞めてしまうという現実は大企業も例外ではないので、第二新卒を採用している大企業は非常に多いです。
「この企業は向いていない」と思った新卒者同士が、自分に向いている企業にトレードし合っているのが現実でしょう。
そのため、大手企業も第二新卒者の採用はかなり積極的ですので安心して転職活動に臨みましょう!
第二新卒で転職をする際の注意点
変なプライドを捨てて謙虚になることが大切
第二新卒で転職する際は、謙虚な姿勢で望むのを忘れないように注意して下さい。
特に新卒の企業が応募先よりも知名度が高い場合、プライドが捨て切れず見下したような態度を取ってしまう方が多いからです。
本人は気付かなくても、採用担当者や面接官は見下されているという感覚を鋭く察知するので、能力に問題がなくても態度が原因で採用されないケースは少なくありません。
たとえ前職が世間的には上の企業だったとしても、謙虚な態度を忘れず「御社にぜひ入社させていただきたい!」という気持ちを伝えるようにしましょう。
「これが最後の転職」と思って慎重に臨む
第二新卒者が大手企業に転職する際は、「これが最後の転職」と思って慎重に臨むことも大切です。
第二新卒者の場合はキャリアを問われないので大手への転職ができますが、もしも転職した先も自分には合わないときは悲惨なので注意して下さい。
大手企業というのは抜群の安定度がある反面、仕事の内容が細分化されていることが多く、一歩外に出ると経験が通用しないケースが多いからです。
第二新卒で入社した先で数年勤めれば20代後半になってしまうので、それなりのキャリアを問われることになりますが、アピールできるだけのキャリアがないと3回目の転職は非常に厳しくなるでしょう。
応募する企業の内部事情をしっかり把握しておく
第二新卒で入社する際は、転職の時期だけでなく転職先の内部事情もしっかりと調査しておきましょう。
ありがちなのは新卒の会社で残業が多く疲れ果てた人が転職したら、残業はないけれど社員の覇気もなく、定年まで勤めようとはとても思えない会社というパターンです。
今は企業の内部事情を知ろうと思えば、インターネットや転職エージェントなどからいくらでも情報をキャッチすることができます。
今度こそ就職で失敗しないためにも、応募する企業の内情はしっかりと把握しておきましょう。
第二新卒の転職は時期だけでなく方法も重要
転職エージェントの活用がおすすめ
第二新卒の方が転職をする際は、時期だけでなく転職のやり方も重要になってきます。
おすすめはハローワークや転職サイトでなく、「転職エージェント」を積極的に活用するというものです。
新卒のときは学内のキャリアセンターを利用していて、転職エージェントとは関わった事がないという人も多いかもしれません。
しかし、転職の場合はエージェントを利用することで転職先を紹介してもらえるだけでなく、さまざまなメリットを享受することができます。
第二新卒者の就活に関するアドバイスをもらえる
転職エージェントは第二新卒の就活に詳しいキャリアコンサルタントが担当に就くので、大学の就職課やハローワークとは比べ物にならないほど転職で役立つアドバイスをもらうことができるのが特徴です。
むしろエージェント以外では第二新卒の就活に突っ込んだアドバイスをもらうのは、難しいケースも多々あります。
転職先の企業に関する詳しい情報を持っているキャリアコンサルタントも多く、具体的な情報を聞きながら転職先を決めることができるでしょう。
面接やビジネスマナーに関するアドバイスをもらえる
転職エージェントに登録すると、無料で面接対策やビジネスマナーについてアドバイスがもらえるのも特徴です。
第二新卒者が転職活動行う際は時期だけでなく、ビジネスマナーができているかは非常に重要なポイントとなります。
どんなに学歴や能力が高くても社会人としてのマナーができていないと、第二新卒で雇う必要はないと思われてしまうでしょう。
そのときに心強い助っ人となってくれるのが、転職エージェントの専属サルタントです。
アドバイスをもらえるだけでなく、希望すれば模擬面接を行ってくれるエージェントもあります。
企業の雰囲気や情報を教えてもらえる
キャリアコンサルタントの中には、紹介する企業に直接出向いて雰囲気や体質を把握している人もいます。
そのため、あなたの性格や適正に合った企業を紹介してくれる他、知っている情報があれば具体的に教えてもらえます。
例えば「残業は多いですか?」「育休後に時短勤務になっても、白い目で見られませんか?」といったことを具体的に尋ねた際に明確な答えがもらえるでしょう。
自分で応募しても企業に残業や時短勤務のことはかなり聞きづらいのですが、キャリアコンサルタントというワンクッションがあれば無理なく情報を聞き出すことができます。
無料でスケジュール調整や条件交渉・応募書類のチェックまで頼める
転職エージェントは人材を募集する企業からお金を受け取っているため、求職者は無料で様々なサービスを利用できます。
面接日や入社日のスケジュール調整から、給与や勤務地などの条件交渉、履歴書・職務経歴書のチェック、模擬面接まで、まさに至れり尽くせりのサービスが無料で受けられます。
利用しない手はないでしょう。
相性の悪いキャリアコンサルタントもいるので注意
ただし、転職エージェントのキャリアコンサルタントがすべて自分と相性の良い人とは限らないので注意して下さい。
できれば大手転職エージェント1社、第二新卒者の転職に強い転職エージェント1社、それ以外に自分が興味を持った転職エージェント1社というように、2~3社程度の転職エージェントに登録するのがベストです。
複数の転職エージェントとつながりながら、最終的に「この人なら」と思えるキャリアコンサルタントを見つけ、その人と一緒に転職活動を進めていきましょう。
第二新卒者の転職時期まとめ
今回は第二新卒の転職時期について紹介しました。
ここ数年、第二新卒を歓迎する企業はかなり増えているので、新卒で失敗してもリベンジは可能です。
第二新卒で転職をした結果、前職よりいい条件の転職先が決まる可能性も少なくないでしょう。
“第二新卒の転職”というチャンスは人生で一度だけですので、30代になって後悔する結果だけは残さないようにしましょう。