履歴書と職務経歴書の違いは?書き方のポイントや注意点も紹介
転職では必ずと言っていいほど履歴書と職務経歴書の両方が求められます。
しかし履歴書と職務経歴書の違いがよくわからないという人が意外と多いようですので、今回の記事ではこの2種類の書類の違いについて紹介していきます。
合わせて履歴書と職務経歴書それぞれの書き方のポイントや注意点についても解説しているので、参考にして下さい。
履歴書と職務経歴書の違いは?
履歴書はプロフィールを記載する書類
履歴書とは、簡単にいえば企業の採用担当者が応募者のプロフィールを確認するための書類です。
採用を検討するにあたって、応募者がどんな学校を卒業していて、どんな会社に勤めた経験があるのかを知るために履歴書が必要になります。
職務経歴書は職歴のアピールする書類
職務経歴書とは、応募者の経験やスキルを詳しく知るための書類です。
応募者が今までどんな職務を経験して、それによってどんなスキルを持っていて、どんな風に自社で活かせるのかを確認するために職務経歴書があります。
そのため、履歴書と異なり、職務経歴書では自身の能力や、自分を採用するメリットを効果的にアピールすることが可能です。
履歴書と職務経歴書の基本的な書き方と内容
履歴書:学歴や職歴といった定形の内容をA4(B5)用紙に書いていく
履歴書には一定のフォーマットがあり、その欄を埋めるような形で書き込みを行っていきます。
表面には氏名・連絡先・年齢・学歴・職歴などを記入し、裏面には免許や資格・趣味・特技・志望動機などを記入するフォーマットが大半でしょう。
学歴・職歴欄が長いJIS規格の用紙が一般的ですが、後述する自己PR欄が設けられているタイプ、退職理由を記載できるタイプなど様々なフォーマットがあります。
また、サイズはA4(A3二つ折)またはB5(B4二つ折)のどちらかですが、応募する企業の方で特に指定をしていなければ、自分の好みのサイズ・構成になっている履歴書を使っても問題ありません。
履歴書の基本的な内容(JIS規格の場合)
- 作成した日付
- 写真
- 氏名
- 生年月日(満年齢)
- 現住所
- 連絡先
- 電話番号
- 携帯番号
- FAX番号
- 学歴・職歴
- 資格・免許
- 志望の動機、特技、好きな学科など
- 通勤時間
- 扶養家族の人数
- 配偶者の有無
- 配偶者の扶養義務
- 本人希望記入欄
職務経歴書:自由なレイアウトでキャリアを書いていく
履歴書と異なり、職務経歴書は項目もレイアウト、書き方も応募者の自由に決めることができます。
自由に決めることができるというのは工夫すればインパクトのある内容にできる反面、「あらかじめ内容が定められていた方が楽」という人にとってはやっかいな書類でもあります。
例えば転職回数が複数ある場合、職歴を時系列で書いてもいいですし(編年体式)、新しい順で書いてもいい(逆編年体式)など、職務経歴書はとにかく自由度が高いです。
量はA4サイズ1~3枚程度に収めるのが一般的で、勤務した企業名や働いていた期間、業務内容、持っているスキル、入社後に活かせる知識や技術などを記入します。
文章を分かりやすくまとめる、適時箇条書きにするなど、担当者が読みやすいように書くことが大切です。
職務経歴書の基本的な内容(例)
- 作成した日付
- 氏名
- 経歴要約
- 勤務先会社名(以下、勤務した会社ごとに記入)
- 経験期間
- 勤務先資本金
- 勤務先従業員数
- 経験職種
- 雇用形態
- 年収実績
- 業務上のポジション
- 職務内容
- 実績
- 自己PR
評価される履歴書と職務経歴書のポイント
どちらも自分に合ったフォーマットを選ぶのがポイント
応募先の担当者に評価される履歴書と職務経歴書を作る際に重要なのが、自分の特性に合った書類のフォーマットを選ぶことです。
職務経歴書は個人に合わせて無数のフォーマットがありますし、履歴書の場合も職歴の多さやアピールしたいポイントに応じて微妙に異なるフォーマットが存在しています。
そのため、自分の経験や応募先にアピールしたい要素に応じて、適切なフォーマットを選ぶのは非常に重要と言えるでしょう。
履歴書:情報の正確性
応募書類において履歴書は顔のような物ですので、情報の正確性に注力するべきでしょう。
例えば履歴書の入学・卒業の年度、資格取得の年月などを間違っていると、いい加減な人間だと思われ評価が下がってしまいます。
また、同様に履歴書は誤字脱字や内容にミスがある場合も担当者から低評価に繋がってしまうので、証明書類を確認するなど、面倒でも正確な情報を記載するよう心がけて下さい。
職務経歴書:アピール内容とまとめ方
職務経歴書では、自身のスキルや経験のアピール内容やまとめ方が重要になります。
特に転職の場合、内容に問題がなければ採用への影響が比較的少ない履歴書と違い、職務経歴書の内容がそのまま採用の可否に直結します。
職務経歴書で自分のスキルや、即戦力であることを効果的かつ分かりやすくアピールできれば、採用される確率はグッと上がるでしょう。
パターン別におすすめの履歴書フォーマットを紹介
次に社会人としてのキャリアが短い人や、逆に社会人歴が豊富な人などのパターン別におすすめの履歴書のフォーマットを紹介していきます。
社会人としてのキャリアが浅い人:一般用の履歴書
一般用の履歴書はJIS規格の履歴書に比べて学歴・職歴欄が短く、その分自己PRを書ける欄が大きく設けられているのが特徴です。
社会人としてのキャリアが浅い人や、職歴欄であまりアピールしたい内容が無い人は、一般用の履歴書でしっかりと自己PRをすると好印象を与えられます。
社会人としてのキャリアが長い人:JIS規格の履歴書
社会人としてのキャリアが長い人は、履歴書でも職歴をアピールできるJIS規格の履歴書がお勧めです。
他の履歴書よりも学歴・職歴欄がたくさんあるので、勤務した会社ごとに職務内容や実績などを記載しても欄が足りなくなることがありません。
もし足りない場合は、下記で紹介する「転職用の履歴書」が良いでしょう。
転職回数の多い人:転職用の履歴書
転職回数が多い人は学歴・職歴欄の多いJIS規格の履歴書でも職歴が書き切れない場合がありますので、転職用の履歴書がお勧めです。
履歴書と職務経歴書がセットになっており、他の履歴書と異なり退職理由も記入できる欄があるのが特徴です。
自己PR欄が広く設けられているものもあるので、転職用の履歴書を使うことで転職回数が多い人でも好印象な履歴書を作成できるでしょう。
何度も転職をしていると、どうしても「なぜ転職を繰り返したのか?」という疑問を抱かれてしまうので、履歴書に退職理由が書いてあることで転職に説得力を持たせることが可能です。
パターン別におすすめの職務経歴書のフォーマットを紹介
次にパターン別におすすめの職務経歴書のフォーマットについて紹介していきます。
社会人キャリアが浅い人:志望動機書の付いた職務経歴書
社会人としてのキャリアが浅い人は、ネットでダウンロードできる志望動機書の付いた職務経歴書がおすすめです。
インターネット上には様々なタイプの職務経歴書がありますが、社会人としてのキャリアが浅い人は職務経歴書でアピールできる内容が少ないので、フォーマットによってはスカスカになって悪印象です。
しかし、志望動機は社会人経験が浅い人でも企業研究を行えばしっかりと書けるので、キャリアに乏しい場合でも良い印象を与えることができます。
社会人キャリアが長い人:職務内容の欄が広い職務経歴書
社会人キャリアは長い人は、自分のこれまでの経験やスキルがしっかりとアピールできる、職務内容の欄が広く設けられている職務経歴書がおすすめです。
転職エージェントなどが提供している無料のフォーマットから、自分の職歴をちょうどよくアピールしやすそうなフォーマットを選ぶと良いでしょう。
ハイクラスやクリエイティブな転職の場合は、既存のフォーマットをベースに職務内容を広げるなど、自分に合わせてアレンジするのも効果的です。
履歴書と職務経歴書を記載する上での注意点
内容が重複しないように工夫する
履歴書と職務経歴書は内容が重複しないように注意して下さい。
履歴書に記入する内容と同じものを職務経歴書に記入しても意味がないどころか、場合によっては「この人は履歴書にも同じ事を書いていたな…」とマイナスの印象を持たれてしまいます。
履歴書では概要を書くに留め、職務経歴書で詳細を記載するなど、履歴書と職務経歴書で内容が重複しないよう注意することをおすすめします。
強調の意味で両方に記載する場合は言い回しを変える
ただし、職務経歴書で書いた業務内容や実績を強調したい狙いで履歴書にも記すのは効果的です。
その場合は同じ内容でも言い回しを変えるなど、完全なコピペにならないようにしましょう。
転職では履歴書よりも職務経歴書が重要視されやすい
新卒の書類選考は履歴書から判断しますが、転職の場合は職務経歴書の内容が重要視されやすい点に注意して下さい。
もちろん履歴書も手を抜かす書く必要がありますが、職務経歴書には特に力を入れて仕上げましょう。
「こんな経歴を持つ応募者とぜひ会ってみたい」と思ってもらえるよう、自分のキャリアと能力を最大限に伝えられる職務経歴書を作成することが大切です。
履歴書と職務経歴書の違いに関するまとめ
今回は履歴書と職務経歴書の違いについて紹介しました。
転職をするには履歴書と職務経歴書の両方を企業に送って、まず書類選考にパスする必要があります。
そのためにはこの2種類の書類の違いについてよく理解し、適切なアピールをすることが重要です。
特に職務経歴書の内容は採用の合否に与える影響が大きいので、力を入れて作成すると良いでしょう。