人前で話すのが苦手な原因や心理は?克服方法やリラックスして話すコツ
「人前で話すのが苦手」と言う人は多いですが、社会人になると社内で自己紹介やプレゼンテーションがあり、何かと人前で話す機会が多いです。
そこで当記事では人前で話すのが苦手な人に向けて、苦手を克服しリラックスして話せるコツなどを紹介していきます。
人前で話すのが苦手な人の原因や心理は?
今まで人前で話した経験が少ない、自分に自信がない
人前で話すのが苦手な原因や心理として最も多いのが、今まで人前で話した経験がほとんどなかったり、自分に自信がないというものです。
後述していますが、人前で話すのが苦手というのは場数を踏むことで解決できるケースが多いです。
経験が乏しいせいでスピーチの成功体験がないので、人前で無事に話し終わる自分が想像できず、不安から極度に緊張してしまいます。
あがり症や何らかの障害を持っている
普段は上手く話せても人前では極度に緊張してしまう人は、あがり症(社交不安障害)であったり実は場面緘黙やその他の何らかの精神障害を抱えている場合もあります。
多少緊張する程度であれば、むしろ大半の方は人前で話す時に緊張するので問題ないのですが、吐き気や涙が出る、呼吸ができなくなるといった症状が出ている場合は何らかの障害の可能性があります。
場数を踏んでも人前で話すのが苦手なのが全く改善されない場合は、一度病院で診断を受けてみるのも一つでしょう。
失敗した時のことばかりを考えて不安になる
人前で話すのが苦手という人には、失敗した場合のことばかりを考えてしまうのが原因という場合もあります。
これは特に自分のミスを許せない真面目な方や、人前でミスをしたくないプライドが高い方に多い心理です。
これもやはり何度も人前で話すことで成功体験を積んで、失敗した自分を考えないようにするのが効果的でしょう。
過去の失敗経験がトラウマになっている
過去に人前で話した時に盛大な失敗をして、それがトラウマになっている人も、人前で話すのが苦手になってしまいます。
トラウマは何年経っても改善されないことがあるので、例え失敗したのが子どもの時であっても、社会人になってスピーチする際に極度の緊張状態になってしまうでしょう。
トラウマの解消もやはり場数を踏んだり、トラウマが酷くて吐き気や震えが出るという方は病院に行くのも一つの手です。
人前で話すのが苦手というのは珍しいことではない
上で少しだけ触れましたが、人前で話すのが苦手で緊張するというのは何ら特別なことではありません。
むしろ人前で話すことに緊張しない方が珍しいくらいで、過去に「株式会社JTBコミュニケーションデザイン」が18歳~59歳の男女2,060人を対象に行った「コミュニケーション総合調査」の結果を見てみましょう。
調査によればコミュニケーションを苦手と感じている人は58%と半数超えであり、世の中の半分以上の人はそもそも人と話すことが苦手ということが分かります。
特に「複数の人の前で発表すること」と答えた人は75%ににっており、4人中3人は人前で話すことが苦手と感じており、人前で話すことが得意な人に比べて圧倒的に多いです。
そのため、人前で話すことが苦手という方は、それは珍しいことではなくむしろ普通なので安心して下さい。
人前で話すのが苦手な人が克服してリラックスする方法
とにかく場数を踏むのが確実な克服方法
人前で話すのが苦手な人が克服してリラックスするに、やはり場数を踏むことが最善かつ確実です。
極端な話、週に1回くらい人前で話す機会があれば、人前に立つことが特別なことでなく、出勤するのと同じように日常となるので緊張しなくなります。
また、何度も人前で話す機会があれば最初は失敗しても、その内上手くいくようになって成功体験が積めるので、徐々に自信がついてリラックスして話せるようになるのも大きいです。
そのため、人前で話すのが苦手という人は、最初は大変ですが意図的に話す機会を増やすことで、緊張を克服してリラックスできるようになるでしょう。
自宅やカラオケで人前で話す練習をして克服する
人前でリアルに話す経験を積むのが苦手を克服するベストな方法ですが、経験を積む機会があまり無い場合は自宅やカラオケで練習をするのも効果的です。
できればお金がかからない自宅で練習するのが最善ですが、人前で話す練習となるとかなり大きな声を出すので、近所迷惑になったり、家族に聞こえて恥ずかしいという人はカラオケを活用すると良いでしょう。
カラオケにはちょうどマイクがあるので、人前でマイクを持って話をする練習にも最適です。
練習のつもりとはいえ仕事で何度もスピーチを失敗するわけにはいかない、という方にも自宅やカラオケの活用はおすすめです。
仲間同士の飲み会で話す練習をする
会社の同期や気の置けない仲間と飲み会を開くときに、人前で話す練習をやらせてもらうのもおすすめです。
お酒を飲みながら話せば緊張も和らぎますし、カラオケや自宅と違って実際に複数の人に自分の話を聞いてもらうことになるのでいい練習になります。
あがり症の人でも仲間内であれば意外とうまく話せたりするので、成功体験を積むこともできます。
同じように人前で話すのが苦手な仲間がいたら、皆で相談して定期的に人前で話す練習をし合うのも効果的でしょう。
飲み会を開く場所は居酒屋の個室がベストで、一人が立って話せる程度のゆとりがあればさらに理想的です。
自分の音声をスマホで何度も録音する
人前で話すのが苦手という人は、自分の声を録音して何度も聞いて慣れるのも克服方法です。
普通の人は自分が話した声を聞くという経験があまりないので、相手にどんな風に聞こえているか分からず、つい肩に力が入ってしまうケースが少なくありません。
それを払拭するために、スマホを録音モードにして実際に人前で話す内容を録音することで、自分がどんな話し方や声のトーンなのか分かるので、ベストの状態に調整することができます。
「うまく話そう」と気負わない
人間の心理は不思議なもので、「うまく話そう」「失敗しちゃいけない」と気負えば気負うほど、緊張が高まって失敗します。
そのため、人前で上手くリラックスして話した人ほど、気負わずに臨む必要があるのです。
長い人生とはいえ、スピーチを失敗しただけで人生が終わるような機会はそうあるものではありません。
人前であがる人の多くは失敗できない、上手く話さないと思い込んで必要以上に緊張して、自分で自分の首を絞めていることが多いのでリラックスしましょう。
自分が思っているほど他人は注目していないことを知る
これから人前で話すと思うと緊張するのは当たり前ですが、実は他人は自分が思っているほど話し手に注目していません。
あなたがプロの講演者で、参加者は全員あなたのファンやお金を払った人であれば、ほぼ全員が注目して話を聞いているでしょう。
しかし、単なる会社でのスピーチであれば50人の参加者がいても真剣に注目して聞いているのは精々1~2割くらいです。
あとは仕事だから仕方なく真面目に聞いている人が半分、残りの半分はほとんど話半分に聞いています。
「この話のせいで残業になりそうだし早く終わらないかな」「今日の夕食は何にしようかな」なんて考えている人も絶対にいるので、自分が思っているほど他人は注目していないことを自覚しましょう。
どうせ何を言っても半分近くは聞いてないと思えば、リラックスして人前で話すことができます。
逆に人前で話すのが得意な人の特徴や共通点
具体例を交えて堂々と話している
人前で話すのが得意な人は、聞き手が脳内でイメージをしやすいよう具体例を交えているのが特徴です。
また、話し方もボソボソと聞き取りづらい声でなく、堂々とハキハキした声で話しています。
こちらが緊張していると聞き手も緊張したり、「この人は大丈夫なのか?」と不安になるので、堂々とリラックスすることは重要です。
内容が分かりやすくまとめられる
人前で話すことが得意な人は、話の内容を分かりやすくまとめられているのも特徴です。
校長先生の話が良い例ですが、無駄に長くて中身のない話は誰も覚えていませんし、集中して聞き続けることすら困難です。
内容がまとまっておらず、ふと聞いた時に支離滅裂になっているようなスピーチにならないよう注意しましょう。
今に集中することで緊張しないようにしてる
人前で話すのが得意な人は、今に集中することで緊張しないよう工夫しているのも特徴です。
人前で話すことは緊張して当たり前の行為で、どんな熟練者でも緊張するときはしてしまいます。
そのため、自分が今緊張していることを自覚し、発声練習や筋トレを行うなど「今に集中」することで、不安をコントロールしています。
体を積極的に動かして表現している
人前で話すことが得意な人は、話している最中に時折体を動かして、思いを伝えたり表現しているのも特徴です。
聞き手は棒立ちで淡々と原稿を読み上げる人よりも、体を動かしている人の話の方が引き込まれやすいです。
話し手としても強調したい箇所にメリハリをつけたり、スピーチにアクセントが付けられます。
聞き手を巻き込んで会話相手に落とし込んでいる
人前で話すのがうまい人は、一方的に話をするのでなく聞き手も巻き込んでいるのも特徴です。
冒頭に「今まで言った言葉に「私」という言葉は何回含まれていたでしょう?」など、スピーチと関係ない質問を投げかけたりするのが代表的です。
スピーチのコツに聞き手でなく会話相手と思うというものがあり、相手をこちらに引き込む上でも効果的だったりします。
実際に人前で話すのが苦手だった人が克服できた事例
人前で話すのが苦手だった人が、見事に克服できた事例をご紹介しましょう。
販売員になって人前で話すのが平気になった事例
これはスーパーのフリースペースで、健康器具の販売をしている店員Aさんの事例です。
Aさんはかつて人前で話をするのが苦手でしたが、仕事と割り切って毎日摩耗しつつも人前で話し続けていると、いつの間にか人前で話すことが苦ではなくなったそうです。
人前で話すことが苦手だった販売員が克服したように、半強制的に人前に出なければならない現実が何度もあると、やはり改善されやすいようです
SEになり人前で話す機会が増えて克服
次に昔から人前で話すのが苦手だった、IT企業でSEを務めるBさんの事例です。
Bさんは学生時代は人前になるべく出ないようにすることで何とかやっていけたのですが、IT企業に就職して昇進すると徐々に人前で話す機会が増えてきました。
しかし、Bさんはクライアントや会社の上司・部下がズラリと並ぶ会議室で、しっかり説明しようと思えば思うほど頭の中が真っ白になって失敗してしまったのです。
次の日Bさんを見ていた上司が、「エンジニアは人で話すのが苦手で当たり前だから気にすることはない。場数を踏めば慣れるから大丈夫だよ」とアドバイスを受けて、まずは毎日の朝礼のスピーチに積極的に参加しました。
そしてグループミーティングでも雑談形式ではなく、わざわざ皆の前で話をすることで苦手を克服して、1年後には人前で流暢に話せるようになりました。
人前で話すのが苦手な人の特徴や克服方法まとめ
今回は人前で話すのが苦手な人の特徴や、克服する方法などを紹介しました。
日本では人前で話すことが苦手なのは当たり前で、むしろ得意な人の方が少数派なので安心することが大切です。